Potsdam

四月六日(火)
朝食後バスに乗りこみ、アウトバーンを走ってベルリンから約35キロ離れたポツダムへ。ツェツィーリエンホフ宮殿、サンスーシー宮殿など見学ののち、またバスでベルリンまで戻る。
ポツダムなんて、地図で見るとベルリンから近いんだし、などと、この日の行程を甘く見ていた私たち。思いもよらず、ハードな一日となりました。だだっ広い宮殿のなかを歩き回ったので、ベルリンに帰ったときには、もうくたくた。


ツェツィーリエンホフ宮殿、サンスーシー宮殿

ポツダムの観光スポットといえば、なんといっても、ポツダム宣言の舞台となったツェツィーリエンホフ宮殿、そしてサンスーシー宮殿。このふたつは絶対はずせません。

第二次大戦後、1945年にポツダム会談が行われた場所は、市街北部の湖に面し、緑が豊かで、とても牧歌的な雰囲気の漂うところ。ホーエンツォレルン家の最後の王子、ヴィルヘルムが住んでいたという宮殿には、宮殿という言葉のもつイメージはなく、白い土に黒い木組みの壁が、まるでイギリスの田舎にあるお屋敷のよう。そういえば、チェスターに行ったとき、街全体がこんなふうでしたね。
会談に使われた部屋は、円卓などもそのままに保存されています。そうですね、歴史的出来事の大きさのわりには、質素な感じの部屋でした。写真などのパネルが廊下に展示されていて、日本語の堪能な現地のガイドさんが、けっこう長々と説明してくれたんですが・・・
あの年代の出来事って、なんか、「悠久の歴史」といったロマンの趣がないんですよねぇ。学校の授業でも、三学期になってから駆け足でささっと済ませることが多かったし。わりと最近のことなのに、あまりリアリティもない。でも、ガイドさんがベルリンをあちこち案内してくれたとき感じたんですが、今世紀の戦争っていうのは、街を説明するひとつのキーワードになってるんですね。戦争で壊された建物、ヒトラーが使っていた建物、ソ連軍に占領された建物・・・やはりこちらではネオナチ問題やヨーロッパ近隣国の目もあるし、そのあたりの歴史教育は徹底されているのかなぁと思いました。
典型的平和ボケ日本人の私には、なんたら王子がどうたら、スターリンがどうのこうのという話は、不勉強でわからないことも多く、ガイドさんの説明を拝聴しながらも、ついつい出そうになるあくび。必死でかみ殺しているのを隠そうと横を向いて、窓から春の庭を眺めるふりをすれば、いつのまにか背後に忍び寄った夫がそっと耳打ち。
「かわいそうになぁ。あんた、ようわからんから退屈してんねやろ?」
むっ(ーー;)
「見てよ、きれいなお庭やね」とはぐらかしても、まだにやにや笑っている。
フン。嫌味なヤツ。 知ってるねんよ、そういうアンタだってわからんってこと。せっかく黙ってあげてたのに(-.-)

サンスーシー宮殿は、フリードリッヒ二世が夏の離宮として建てたロココ調の黄色い宮殿。その広大な敷地には、庭園や博物館などがあって、見て回るとそれだけで一日が過ぎます。
サンスーシーとは、心配・憂いがない、という意味のフランス語。そもそもこの宮殿自体、ベルサイユを模したものだそうです。フリードリッヒ二世という王様、戦争も好きだが哲学や芸術にも造詣が深い人だったということで、その頃ちょうど芸術や宮廷文化の華やかだったフランスに深く傾倒、自国のドイツ語よりはフランス語に堪能で、「ドイツ語は兵と馬のための言葉」と仰せになったとか。
バスを降りた私たち、この庭園を歩いて宮殿まで行ったんですが、けっこう疲れましたね。庭園を見下ろす小高い位置に宮殿の建物があるんですが、そこまでの階段がまた長くて。
興味深かったのは、まあ贅を尽くした華麗な宮殿内部もですが、なんといっても、そこへ入るとき、入り口でスリッパを履かされるんですね。このスリッパが面白いんですよ。
グレーの厚いフェルトでできている相当に大きなスリッパで、ワンサイズしかないんです。これを靴の上からガパッと履く。そして、普通に歩くのは困難ですから、見学はそのまま「すり足」で、ということになる。なんか、見学者がみんなで歩きながら、スリッパの裏で床拭きをしているような感じなんです。これはホント、いい考えだと思いましたね。靴音がしないので静かだし、床が汚れたり傷んだりしないし。こんなの初めて見ました。さすがドイツ人、日本人と発想が違う。
そのうち、これを一層進化させて、同時にワックスがけもやらせるようになるんじゃないかしら。ほら、よくあるでしょ、アイディア商品で、スリッパの裏にモップなんかがついているやつ。あんな感じで。そうなったら、ますます面白いですね。


ドイツ料理

ドイツに行ったら、イモとハムばっかり食べさせられる、とうちの両親が言ってましたが、まったくその通り。とくに、じゃがいもって、主食なんですよね。
レストランに行って、簡単なコースを食べると、メインの大皿には、ビーフや魚などのつけあわせに、必ずどっさりとじゃがいもがでてくる。で、パンはでなかったりします。
じゃがいもの嫌いな人にはゾッとする国ですが、そうでなければおいしいんですよ、これが。やわらかくマッシュにしてあったり、ニンジンなど他の野菜と一緒に炒めてあったり、ビネガーでちょっとすっぱくしてあったり。
ソーセージやハム類も多いですね。ソーセージといっても、日本の「あらびきナントカ」なんてチャチでカワイイのとは、もう全然ちがう本格的ボリュームが。これがメインになったりするくらい。
ドイツ料理はマズイなんて聞いたけれど、どうして? 私が食べた限りでは、野菜もたっぷり摂れてヘルシーだし、肉類も歯応えがあって、けっこう美味しかったですけどね。まぁ、ふだん和食しか食べない人には、ソーセージなんて、という感じかもしれませんが。
ドイツで食べたものに触発され、帰国してから、いままで煮物や粉ふきイモなどいくつかのパターンしかなかったじゃがいも料理の開発にいそしんでいます。たとえば、一口大に刻んで、スライスにんにく少々と一緒にフライパンで炒めて、軽く焦げ目がついたら、そのフライパンに水とブイヨンを足して煮ます。肉料理のつけあわせに、どっさりと皿に盛って出すのがドイツ風。はた目には「冷蔵庫にじゃがいもしかなかったの?」という感じですが、でも作ってる本人は、ドイツ料理を再現したつもりで悦に入ってるんですよ。今夜の一品に、いかがでしょう?


ビール

私は泡の立つ飲み物は好きじゃないので、ビールも飲みません。が、今回の旅行中どこでも、我が夫はビールを堪能していた様子。値段も安いし、地ビールというのか、その地方ごとに、特産のビールがあるそうで、行った先々で違う味が楽しめます。
面白かったのが、向こうでは、どんなグラスにも目盛りがついてる。細かいのじゃなくて、ここまでが200ml、などという感じで白い短い線が、すっと入ってます。目立たないので初めは気がつかなかったんですが、どこのグラスでもやっぱりついてる。日本だと、メニューにビールの大中小などと書かれてあっても、グラスだと何ミリリットル入ってるかなんて、わからないときもありますよね、でも、ドイツではメニュー自体にそれが明記されてました。
それから、レストランでビールを頼んでも、持ってくるのが遅いです。食前にとりあえず乾杯、と思っても、料理よりビールが遅い場合も。これは、グラスに一度注いで、泡がおさまるのをまってから、二度目を注いでいるから。


お犬様騒動

ヨーロッパって公園とか森とか、緑が多いんですよね。そこに、水仙やチューリップが大量に植えてあったり、野生の小さな花々が一面に咲いています。わー、いいなぁ、すがすがしいなぁ、などと小さな花のじゅうたんを歩いている。と、草のうえ、目に入った黒っぽい物体。
何を隠そう、それはひからびた犬のフン。
あっちでは、犬ってフレンドなんですよね。人間の良き伴侶、という、確固たるステイタスを築いている。だから、街なかや公園を散歩するときも鎖や綱でつないだりしないし、フンをしてもそのまんま。日本では、飼い主のマナーが問われるような行動が、あたりまえの世界なんです。
どんな大きな犬でも、そんなふうなので、ときどき、ぎょっとする思いも。だって、綱もつけずに、猟犬みたいな大きな犬が公園を走りまわっているんですよ。ザザッと背後で草の音がしたな、と振り返れば、デカイ犬とのニアミス。うわぁっ! と叫んでも、うらうらと晴れた午後の公園では、その叫びが可笑しく見えるくらい、飼い主を含め周りの人たちはヘーゼンとしている。驚いて怖がっているのは私だけ。こんなシチュエーションって、日本じゃ絶対に考えられない。
犬の訓練所などがあって、よくしつけてあるということなんですが、それでもねぇ・・・
うちの夫は大の犬恐怖症。マルチーズでも怖がりかねない人ですから、街や公園を歩くたび、心臓が飛びあがること多数。私が口笛でも吹こうものなら、「やめろ、やめろ、こっちに来たらどうするねん!」と本気で怒る始末。「ったくもう、これやったら、まるで江戸時代の“生類憐れみの令”やないか!!」などと憤慨するのはいいんですが、犬を見つけるたび、私を楯にして、背中に隠れるのだけはやめて欲しかった・・・(-_-)

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