そろそろ半ば

もう三月。やれミレニアムだY2Kだと騒いでいたのが、つい先日のことのように思えるのに、月日が流れるのは早いものですねー。
どうやら猫たちは今、恋の季節らしい。「タレ」はオス、しかも去勢していないらしいので、メスのあとを追っかけてばかりいます。ブチには嫌われていて、タレが追いかけるとブチはひたすら逃げています。気を引くためにちょっと逃げてみるってんじゃなく、心底イヤみたいですね。くろはといえば、陰険な目つきで無視しています。可哀相なタレ。でも、みけはまんざらでもないみたい。二匹で見つめ合うところまではいくんだけど、そこからが、どんくさいタレには難関らしい。見ていると、いつも追いかけっこに負けてる(~_~;) あーあ。
見た目は毛がふさふさしてゴージャスなんだけどねー、タレって。目はグリーンできれいだし。でもそんなこと、猫世界では関係ないか。それに、ただゴージャスともいってられなくて、毛が長いと汚れやすいんですよ。毛玉もできるし。自分のウン○がお尻の毛についてたり。汚いのでとろうとすると、毛を引っ張ることになって痛がるし。
ブチやくろには嫌われてるのにしつこく追いかけ回すし、マーキングの尿の匂いもして臭いし、正直、最近ではあまり部屋に入れたくないですね(~_~;) ベランダで餌あげることにします。もう暖かくなったので、寒さに凍えることもありませんからね。
そもそも猫はキレイ好きで、自分でしょっちゅうぺろぺろ身体をなめて足の指の間までキレイにしているもんですが、こんな長毛種は人間が交配してつくりだした種で、人間が毎日ブラシを入れてやらないと、自分がグルーミングするだけじゃ清潔さを保てないらしいですね。罪なモンです。どこかで飼われてきちんとお手入れされていれば、このうえなくゴージャスで絵になるんだけど、いったん野良になると、雨に濡れて毛玉ができ、そこに泥や枯葉などひっかけてるんですからひときわ惨めな姿に。ふさふさのシッポも、歩くたびにそこを掃除してる箒と化すんですからね。私も、彼のためにときどき汚れをとって櫛で梳いてやってますが、なんせ毛の量が多いので、室内飼いで相当手をかけなければ絶対きれいな姿には保てないですよ。面倒くさがり屋には、ちょっと飼えないなと思います。

さて、夫と私のアメリカ生活も、もうそろそろ半ばが来ようとしています。なのに、私たちがいままで出来たことと言えば、う〜ん、なんだろなって感じ?
夫が免許をとったのは快挙でしたが、英語のほうはさっぱり上達しないし・・・どころか、よりヘタクソになった感じがします(~_~;) e-palのおかげで書くのは多少慣れたけど、喋るのがどうも。これ、私だけじゃなくて、夫もほかの人も言ってたんだけど。
努力が足りないのもあるかもしれないけれど、なんだかねー、ここにいるとたぶん「やる気なくなっちゃう」んですよ。アメリカっていう国に、まだ好感もてないからかなぁと思います。それどころか、うちの夫もローレンス研のN氏も、どんどん「アメリカ嫌い」になりつつある・・・(~_~;)

やっぱり仕事がルーズなのが一番こたえるみたいですね。
一週間で来ると言ったパソコンが二週間だってもまだ来なかったり。どうなってるんだといちいち言うのも面倒だし、なんとなく気が悪い。だいたい、物事が一度ですんなり進むことは少なく、どんなことでも二回か三回プッシュしないと始まらない。
とくに、お役所仕事なんか、当てにならないの極みみたいです。免許証を発行してもらうだけのことにも、何ヶ月もかかったり。うちの夫も免許はとったんですが、免許証というものはまだ送って来てもらってない。それが送られてくるまで幸運な場合でも数ヶ月かかる、というんですよ。やれやれ。帰国するまでに送ってもらえるかどうか。もし、もらえなかったら、日本でそれを更新して活かすことができなくなるじゃないですか。
不運なN氏の場合なんか、受け付けた人の手違いで、何回もパスポートのコピーやらなんやらファックスしなおしたり、電話で催促しなけりゃならなかった。明らかに当局側のミスだったのに、それでも詫びひとつないどころか、とことん混乱してわずらわされた様子。言葉ができれば文句のひとつも流暢に言えるでしょうが、それも思うようにならないとなると、ますます苛立ちがつのって・・・。

アメリカに仕事や留学などで来る人が、どれほどこういう事情を知っているでしょうね?
州や地域にもよりけりですから、一概にどうとはいえませんが、私はアメリカってそんなルーズなところだという印象はなかったんですよ。でも、フランス人にいわせると、「これでもフランスよりはマシ」ということになるそうですから、世の中ってのはわからないもんです。

飽食のアメリカ

このところ、なんだかあまり面白いこともないので、ちょっと更新ペースが落ちぎみです。延々と同じような日々が繰り返されていて、何の進歩も達成もないような感じがするんですよねー。夫も研究上の悩みがあるらしく、ウツウツとしています。

昨日、夫はローレンス研のN氏とヤオハンに行って、またいろいろ買い込んできました。おろしポン酢とか、かつおぶしとか散らし寿司の素とか。で、Nさんがゆでダコも買ってきたので、夜は彼のアパートメントに行き、三人で「たこやき」をして食べました。根っからの大阪人で国粋主義者のNさんは、なんと酔狂にも(?)電気たこやき器を日本から持参していたのです。もちろん、爪楊枝その他一式も。三人で、嫌というほどたこやきを食べましたが、美味しかったですね。やっぱ、大阪の味(^^) お好み焼きもいいけれど、まぁ、たこやきも器具さえあれば手軽ですよね。皆でひっくり返して食べるという楽しみがあるし。
アメリカで暮らしてるとは思えん生活ぶり(~_~;)

しかし、食生活っていうのは、変えられないみたいですね、どこの国の人でも。近所の中国人夫婦だって、こちらの食べ物は口にあわないといって、わざわざ中華系商店までいって食料を調達しているみたいだし。中華料理のお店自体はどこにでもたくさんあって、けっこう人が入ってます。日本料理に比べて安いし、皆で分けて食べる気楽なイメージがあるんだと思います。でも、やっぱり、私が上海で食べていたような味じゃないし、そもそも材料が違う。野菜炒めにセロリやカリフラワー、これはなかったと思いますね、上海では。やっぱ空心菜(コンシンツァイ)とかチンゲンサイなどでしょう。
巻き寿司がカリフォルニアロールに化けるように、こちらでは中華もアメリカンテイストになってるんだと思います。だから、私たちがカリフォルニアロールを食べないように、大陸から来た中国人はこちらの中華料理をあまり食べたがらないんでしょうね。

でも、こちらで発見した美味しさというのもあります。
まず、マヨネーズ。こちらのリアルマヨネーズを食べたら、もう日本のマヨネーズなんて、嘘っぽくて食べられないなぁと思いますよ。
私はもともとマヨネーズ嫌いで、カロリーも高いしあの妙な酸っぱさが嫌だったんです。サラダにはドレッシングしか使いませんでした。マヨでべたべたした日本のポテトサラダとかコールスローなんて、見ただけで「ウッ、しつこそう」というの感じでした。が、こちらにきて、それらがほんとはすごく美味しいものだったんだと思うように。こちらで売っている瓶詰めのマヨネーズは、まずあんなにどろっとしてなくて、やわらかいプリンをホイップしたような感じです。液体というより固体。で、風味もタマゴどっさり、お酢あっさり、という感じで、そのままなめても、あの鼻につーんとくる妙な酢っばさがなく、とてもマイルド。なおかつ「濃い」のにしつこさがない。あー、なるほど、これが「リアルマヨネーズ」だったのか、と思いましたね。
サラダのトッピングもこちらでは豊富で、松の実やナッツ類、かりかりベーコンを砕いたもの、ドライフルーツなどが単品、もしくはシーズニングとして数種組み合わせ、ちょうど「ふりかけ」みたいな感じで売られています。コールスローに玉ねぎスライスを足し、トッピングをふりかけてリアルマヨネーズであえる。これがいま、我が家の定番サラダ。おいしいですよ。

あと、ジャム類も安くて種類が多いですね。日本では見かけないブラックベリーやパイナップル、チェリーのジャムなどもあります。中身もしっかりしている。混ぜ物があまりなくて、ほんと、フルーツの煮たものって感じ。ただし、味については、たいてい日本のものより甘いです。
フルーツといえば、ジュース類も安くて種類が多いです。日本だと100%ジュースは、オレンジ、りんご、ミックス、といったところが定番で、それ以外は少ないですが、こちらでは「オレンジ+ストロベリー」、「白葡萄」、「アップル+洋梨」、「グレープ+ラズベリー」など、あまり飲んだことのないようなものがたくさんあります。とくに、パスチャライズ(低温殺菌)のジュースはおいしい!普通、100%ジュースといっても、絞りたてでなく濃縮還元が多いものですが、こちらで飲んでるトロピカーナというブランドのパスチャライズ・オレンジジュースはほんとおいしいです。これも、妙な酸っぱさがなくて、とてもマイルドで生の味に近い。そのうえ、オレンジのつぶつぶ果肉(pulp)入りのものと、果肉なしのものとに分れていて好きなほうを選べます。
アイスクリームやフローズンヨーグルトなんか、大きいのはバケツみたいな容器で安く売ってますし、これまた種類もいろいろ。日本ではみかけないメキシカンフードの材料なども豊富だし、いろんな国のいろんな料理の材料が手に入るというのは、やっぱり飽食の国ですね。

ひゃ〜(~_~;)

前に、猫たちは恋の季節だといいましたが、とうとうブチにも「さかり」が。
二、三日前から、「みゃお〜ん、みゃお〜ん」と大声で鳴きながら、外をうろついてるんです。
「えっ、もしかしてこれが?」と、猫を飼ったことのない私は???だったんですが、猫関係のHPなどで調べてみると、どうもそうらしい。
で、タレのことなんか、今まで側に来られるだけでも逃げ回ってたのに、昨日、このリビングで遭遇すると、今度は自分からタレを誘うんですよ。なんとまぁ、この豹変ぶり。うちの夫と、「これって、ひょっとすると“お誘いポーズ”と違うの?」とか何とか言ってると、いきなりタレが駆け寄って来て「それ」が始まったんです。
このリビングの真ん中で、真っ昼間、人間ふたりが見ている前で!
ひゃ〜、びっくりしましたねー(~_~;)
でも、なかなか上手くいってない様子でした。二匹の姿勢からしてちょっと無理がある感じ。下になってるブチの腰がひけてるというか。それでも長いこと、二匹でうーうーいってましたが、最後はブチがもの凄い声で「ウ〜ギャオオオ〜〜!!」って叫んで逃げ出してしまいました。それからブチは狂ったように一人で床を転げまわってはこれまた狂ったように毛繕いをしています。
う〜ん。何なのよ、ブチ? やっぱ・・・痛いのでしょうか(~_~;)?
結局、二回ぐらいトライしたけど、駄目だったんじゃないかと思いますよ。たぶん「完了」してないと思います、あの様子じゃあ。
一部始終を目撃してしまった夫と私。
「えらいもん見てもたなぁ」といいながら、まだリビングの床にぐったりのびている二匹に呆れるやら感心するやら。

しかしなんと、その夜も今朝も、ブチはやってきました。タレはたいていこのリビングか、ベランダに住みついているので、きっとまたトライしにきたんでしょう。で、案の定また・・・・
でも、やっぱり(ブチの)姿勢に問題があって、あれじゃあ、タレがいくら頑張ってもブチがもう少し協力的にならない限り無理だなぁという感じ。動物だから、そういうことこそ「本能的に」できると思っていたんですが、なかなかどうして難しいようで。さかりのついた猫同士でもあれなんだから、理性あるデリケートな人間のカップルが、少々上手くいかないことがあっても、そんなに気にすることはないんじゃないか、などと妙なところで納得いった気がしたことです(~_~;)
しかし人のリビングで白昼堂々と・・・・猫に慎みというものはないのでしょうか?
ちなみに、うちの夫いわく「うーん。猫は分りやすうてええな。人間もああやったらええのにな」と・・・何考えてんの?(-_-;)

え〜、ということで、本日は下世話な話題でどうも失礼いたしました。

いままでこのコーナーで話題に上った猫たちを紹介するページをつくりました。見てね!

なんだか猫日記のように・・・

このコーナー、なんだか巷にあふれる猫日記のようになってますが・・・(~_~;)
うえの「猫の紹介ページ」を見て、可愛い!!とメールをくださった方がいました。
みなさん、どの猫が一番可愛いと思います?
私は、そーですねぇ、顔だけなら「タレ」、性格と声は「ブチ」かな?

くろにゃんは、ちょっと「可愛い」とかそういうのではないんですね。なんとゆーか、私にとってもっとも「親近感」をおぼえる猫なんですよ(^^)
遊んでるときの表情は真剣、寝ると寝相かまわずお腹のけぞらせて熟睡、猫缶が気に入らなければフンと目をそらし、ソファのクッションに頭から突撃して狩りの練習をするのが大好きです。爪を隠しきれない猫かぶり娘なもんで、私に対しても遊びに夢中になりすぎて爪を出し、引っかかれると痛いのなんのって。猫に引っかかれると、一見たいしたことないと思っていても、あとから血がにじんできたりします。私は何度かやられて懲りたので、くろが遊びで興奮しだすと、ねずみのオモチャや小さなクッションで相手になってやります。見てると思いっきり噛みついて、同時に蹴りまでいれてますね(~_~;) なんであそこまで必死になれるんだか。
私が一番なのよとばかりに他の猫たちには猫パンチをくらわす真似はするし、まー、確かに性格は悪い(~_~;) 和の精神に欠けてます。でも、元気で目がきらきらしてる。ひたすら自分の好きなように生きている実感というのが、身体全体から発散されていて、それがいいんですよ。
ここの気候は冬でも温暖だし、緑は多くて車は少ないし、なにより、のどかな田舎町だから、人ものんびりしているところがあって、くろにゃんなら敏捷で狩りも上手いだろうし、人に擦り寄る術にもたけていますから、野良のままでもちゃっかりここで生き抜いていけると思います。自立した猫ですね。ブチもみけも、そういう意味ではそれなりに野良として自立している。

ちょっと哀れなのは「タレ」。こいつは野良で自立できるかどうか。
長い毛は雨に濡れるともつれて毛玉になるし、後ろ足が片方不自由だから狩りも上手くできないだろうし、第一、性格がおっとりしているというか、要領が悪いというか、はじめて私たちがここで餌をあげてから、毎晩のようにやってくるのはいいけれど、方向音痴なのか、たんに馬鹿なのか、この部屋までくるのに「にゃおん、にゃお〜ん」と大声で鳴きながら、あちこちあちこち探して歩いてるんです。なんか猫の鳴き声がうるさいなぁと窓を見れば、隣の棟の階段を鳴きながら徘徊しているタレの姿が。夫と、「やれやれ、あのぶんやったら、ここまでくるのにまだ時間かかるわ」といいつつ眺めてました。鳴き声がすぐ側までやってくると、ドアを開けてみる。すると、階段の踊り場に「タレ」がいて、「おいで」というとトコトコとやってくる。まぁ、こんなふうにして三日かかりましたね、場所憶えるのに。

今では、うちのベランダに棲みついてます。
もとはといえばくろのためにつくってやったダンボールの家を、ベランダの倉庫においてあったんです。倉庫のドアを猫が通れるくらい少し開けて、ストッパーつくって固定してました。中はダンボールの箱とか不要品ばかりで、荒らされたり盗られて困るものもないですしね。そしたら、くろでなく、タレがそこで寝泊まりするようになったんですよ。くろはどうやらお気に入りの棲みかがどこかにあるらしい。タレは、ひょっとしてここらでは新参者なのかもしれません。
とにかく、いまは、朝起きてベランダの戸をあけたら、タレが倉庫のダンボールハウスからのっそりでてくる、という具合です。で、ご飯をあげたらリビングでタレーっと横になり、私が家にいるときは、たいてい夕方か夜まで食っちゃ寝しています。十時間以上もトイレにいかないので、ちょっと心配なんですが、本人はなんともない様子。したければ外に出て行く素振りを見せますからね。私たちが眠る時はベランダに出します。外に行くなり倉庫で寝るなり、あとは猫の好きに。こんな猫を、こんなふうに飼うなら、すごく楽ですよ(^^)

タレはもはや、ほとんどうちの飼い猫と化してしまいました。やっぱり足が不自由っていうのがあるんで、野良は不利ですね。本人も、そのへんを心得ているんでしょうか。ここからあまり出ていこうとしない。出て行けと追い出さないと、出て行かない。
自由に異性や狩りの獲物を求めて外を駆け回りたいのはやまやまでしょうが、猫も身の安全を考えるんでしょうか。ここにいれば安全だものね。あったかいし、静かに寝かせてくれるし、食べ物に不自由ないし、おまけにちょくちょく雌猫もやってくるし。
「ええ生活してるやないか、おまえ」・・・うちの夫は真剣に羨んでるみたい(~_~;)ですが、私にはなんだかタレがちょっと不憫です。私たちもいずれ日本に帰るんだから、タレはまた安住の地を求めてさ迷わなきゃならないでしょう。それまでは、タレが望むならご飯と寝床ぐらい面倒みてやろうと思います。
本人も最近なついてきて、自分からお腹をみせてごろごろ甘えたりします。櫛で毛を梳いてやっても嫌がりません。なでてやろうと手を出すとじゃれて噛んだりしますが、こちらが痛いほどには噛みません。ただ、前足でこっちの手をつかまえようとするので、それは痛い。くろと違って、ほんのちょっぴりしか爪を出していないので傷にまではならないんだけど、それでも人間の私の肌にはちくちく痛い。「痛い!」といって手を背中にかくすと、せっかく甘えていたのに、という感じで睨みます。猫には人間の肌の痛さなどわからないので、自分が拒絶されているように感じるのかもしれません。そんなときは、しばらくしてからそっと頭の後ろ(前足が届かない)に手を回してなでてやります。「あんたを拒否してるんじゃないの、あんたの爪が痛いだけ」という意思表示のつもりで。そしたらタレもまた目を細めてごろごろ言い出します。単純なもんです。

怪我や病気で少々肢体不自由になっちゃった猫も、内蔵その他が健康で、室内での基本的な生活に不自由ないなら、かえって飼うのがラクでいいですよ。これオススメ。
ものは考えようです。高いところに飛び乗れないからテーブルやガスコンロのうえに気を使わなくていいし、駆け回って派手な動きもできないから大人しいし。どうせ実用的にねずみとりとして飼うわけでなく、愛玩目的のペットなら、ごろんと寝させておくだけで可愛いのは可愛いし。そもそも猫なんて、どうせ一日じゅう寝てばかりいるものだしね。なんといっても、猫も自分の弱みをわかっているので、「嫌なら出ていく」といわんばかりの猫特有の生意気な態度をとらないです。タレも、あからさまにニャーニャー擦り寄っては来ないけれど、人のいるところにいたいらしくて、ふと気づくとすぐ後ろについて来ていて、あやうく踏み付けそうになることも。
ということで、タレのようなのは、「猫は可愛いし飼ってみたいけど、猫にばかり振り回されたくないしなぁ」、「部屋にあるものを壊されたりしたら嫌だしぃ」、「猫ってどーせ恩知らずで、すぐどこか行っちゃうものね」などと思っている、猫同様にジコチューな飼い主にはぴったり!・・・だと私は思うんだけど?

タレの災難

タレにゃんが野良で自立できるのか心配だ、と書いた矢先に、彼を病院まで連れて行くはめになってしまいました。原因は、現場を見ていないのでなんともいえないんですが、タレが怪我しちゃったんです。

きのうの午後は暖かないいお天気で、いつものようにくろにゃんとタレがリビングでごろごろしてたんです。私もベッドルームで夫と昼寝してました。一足先に起きたうちの夫が「タレもくろも起き出してたから、ベランダにだしてやった」そうなんです。あとから目覚めた私がそれを聞いて何の気なしにベランダにでてみると、くろはもういなくて、タレだけが階段の踊り場でしきりに毛繕いしています。「タレ」と呼ぶと、ちらっとこっちを見上げましたが、そのまま階段を降りて行ってしまいました。さて部屋に入ろうと、ふと振り返ると、ベランダの床に点々と血の跡みたいなのがついているんです。「あれ!?」と思いました。夫に、何が起こったか知らないかと聞くと、自分も見ていなかったからわからない、と。
まさかくろとタレがそんなに激しいケンカをするとも思えないし、私にも夫にも何があったのかわかりません。
でもでも、確かに血がついてる・・・
何が起こったのかわからないけれど、くろとタレのどちらかが怪我をしたか血を吐いたかしたんだと思うと、私も心配になってきました。そのへんを探してみたけれど、もうタレもくろもどこかへ行っちゃっていないし。どうしようもありません。

夕方、夫と買い物へ出た帰り、芝生のうえを走っていくくろを見たので、なんだ、くろは元気そうじゃないの、と思ったんですが、となると心配なのはやっぱりタレ。
その夜の八時ごろだったかなぁ、ふと見るとタレがベランダに帰って来ているので、「タレ、あんたどこ行ってたの」といいながら部屋に入れて明るいところで餌をやっていると、後ろ足の腿の外側あたりに怪我をしているのを発見したんです。
五百円硬貨ぐらいの大きさのハゲができてて、そこから血がにじんでました。
びっくりして、夫に無理矢理タレを抑え込んでもらってよくよく見ました。なんだかわからないんですが、擦り傷みたいになっていて、傷口がじくじくして乾いてないところに、自分の毛が貼りついてました。タレは特に痛そうにしているわけでもないけれど、いきなりホールドされてうーうー言ってます。近くの動物病院(こちらには動物病院がけっこうあちこちにたくさんあります。人間の病院より多いかも??)に電話してみましたが、当然、もう閉まってました。食欲もあるし、とりたてて様子が変なわけでもないので、緊急事態ってわけでもないだろうと思い、ゆうべは外に行かないように、このリビングに泊めてやりました。
傷口を消毒したかったんですが、なにせ、猫は薬品に弱いと猫関係のHPに書いてあったので、どうしようかと迷いましたが、イソジン液を薄めて綿棒で少し塗ってやることにしました。
夫にまたタレをしっかりホールドしてもらって、傷にかぶさって貼りついている毛をはがして根元から切り取り、そこを消毒すると、痛いんでしょうね、「ウンギャァァァ!」という叫び声を上げてました(~_~;)
翌日は日曜日。まだ傷がじくじくしているようなので膿むと困ると思い、別の病院を探して電話をかけるとラッキーにも診てもらえるとのこと。さあ、それから予約時間になると、うとうとしているタレをダンボール箱に押し込め、そこまで連れて行きました。

さて、動物病院の診療は高くつくと思ったので、私は「同情引き作戦」でいこうと考えました。「私たちはペット禁のアパートメントに住んでいて、この猫は自分のペットではなく近所の野良猫だが、足を悪くしておまけに怪我をしていたので可哀相に思い、見るに見かねて病院に連れてきた」と、相手の動物愛護精神に訴えたら、そういう事情ならばといくらか割り引いてもらえないかなーとセコイことを思いついたのです。
いや〜、そんな話が日本の動物病院のホームページなどに載ってたので(~_~;)
でも実際は・・・
タレは箱から出して病院の受け付けに座っていると、知らないところに連れてこられて怖いのか、私の膝のうえで神経質にフーフーシャーシャー(威嚇の声)いってました。受付嬢に事情を説明すると、しばらくしてから別室に通され、彼女がタレの体重を測ったり、診察台のうえで傷の様子を見たりしました。なおも待っていると、やってきたのはターバンを頭にきっちり巻いたインド人の先生。事情を説明すると、また傷の様子を見ました。タレはうちの夫に首根っこをぎゅっと押さえられていましたが、傷のまわりを触られたのか、ものすごい唸り声をあげてましたね。
で、言われたのは(英語がよく聞き取れなかったのですが^^;)、たぶん、猫同士のケンカか何かだろう、原因はわからないが、抗生物質と痛み止めを打って、明日から飲み薬(恐らく化膿止め)を一週間ものませればいいとのこと。で、診察と注射で$55、あと薬代がかかりますけど、どうします?ペットじゃないんなら、あなた次第ですよ、と言われてしまいました。う〜ん、アメリカでは、情に訴えるということは通用しないのであった。 甘かったですね(~_~;)
けっきょく、治療してもらいました。
だって、やっぱり止めときますとも言えないし。ここまでタレに怖い思いをさせて連れてきたんだし・・・もし傷がどんどん化膿していったとしたら、それこそ黙って見ていることもできなくなるし。
またタレを押さえ込んで、注射二本。インド人の先生、けっこう手早く、というか、手荒にやりますねー。
タレはもう興奮の極致。足を突っ張って「フンギャアアアア!!」と叫びまくってました(~_~;)
でも、まだましなほうだったと思いますね。これがくろなら、もっと手がつけられない暴れ方をしたでしょうよ。ごめん、タレ。さぞやわけがわからず怖くて痛かったことでしょう。でも、これもあんたのためなんだからね。

治療代は薬代込みで$71。
やれやれ、野良猫相手に予定外の出費です。タレはといえば、またダンボールに押し込めて家に帰ると、そんな状態でもはぐはぐ餌をたべてました。やっぱりいやしいヤツ。しばらく興奮してましたが、すぐ寝てしまいましたね。
いまも、すぐそこで丸くなってます。
夫と、「同情引き作戦」が外れてえらい出費やったね、といいつつ、まぁたまにはこんな善行もいいか、私が死んだら「蜘蛛の糸」でなく「猫の糸」が垂れてくるかもしれんから、と悦にいっていると、夫いわく「あんたにはこの程度の善行では足らんのとちがうか」と・・・どーゆー意味よ?!

お気楽飼いのススメ

タレは元気にしています。まだ怪我が治りきってもいないのに、相変わらず外に出ては雌たちのお尻を追いかけてます。ったく、男って奴はこれだから・・・(-_-)
ところで、最近は猫のことばかり書いているので、このホームページを見ている昔からの知り合いで、猫は飼ってないけど猫好きのH氏がメールでいわく、

> ますます猫が飼いたくなって困ってしまう。でもね、やっぱ飼うとなれば一生ものだから、
> 相当悩んでいるのは確か。結婚する以上に悩むかも(笑)
> 全責任が僕にかかってくるわけだからね。
> 子供の頃、安易に犬を飼って、面倒くさくなって親戚の家に貰ってもらったりしたから、
> そのあたりについては、僕らしくもなく随分と慎重になってしまっている。

とのこと。
まぁ、こんな無責任に猫づきあいをしている私が言うのもなんだけど、もーちょっと気楽に考えてみたらどうかと思いますね。

世の中には、やたら動物愛護に熱心な人もいて、「猫アレルギーになろうと、自分の子供が産まれようと、その猫を飼い始めた以上、一生面倒みる義務がある」だの、「避妊・去勢で室内飼いにしなければ飼い主たる資格はない」あるいは、「いやいや、それは人間のエゴというもの、猫が可哀相だから自然のままにしておくべきだ」云々とウェブ上でも議論しているようです。
まぁ、自分の子でもないのによくそこまで、とも思いますが、好きなんでしょうね、結局。
私はもっと気楽に考えたら、と思います。
結婚でもそうですが、もう昔みたいに「どんなことがあっても一生この人と」なんて思い込んでいたら、きょうび、人生の選択肢は結婚以外にもいろいろあるし、結婚生活のウラ事情もあれこれ見聞きするんで、そんなに考え込むとパッションが萎えてしまいませんか? あるいは、慎重になりすぎて結婚自体にためらいを感じてしまう。もっと違う選択肢もあるかもしれない、でも、とりあえずこの人とは楽しく生活できそうだから、ぐらいの感じでもいいんじゃないかと思いますね。たんに、好きだから、というのもシンプルな原点でいいと思います。

人間の結婚でさえ、当人同士が了解すればいつでも別れられるのに、たかだか犬猫といっちゃあなんですが、一生この猫と、なんて思い込まなきゃ飼えませんかね? 飼う資格がない? それ、ちょっと大袈裟なんじゃない?
こっちにきて、数匹の猫たちと知り合いましたが、猫とはいえみんな個性があって、それぞれ付き合い方も違ってきます。たんにペットショップで見て可愛いと思ったからって、性格まで自分と合うとは限らないですよ。「一生」なんて口にするんなら、結婚前にお互いをより深く知り合うデートの期間があるように、猫ともせめて二週間程度ぐらいは同棲してみなけりゃ、そう簡単に決められないなと思います。ぱっと見て可愛いと思って、それでその猫の「一生」を背負い込むなんて、戦前の写真花嫁みたい(~_~;) 私にはそんな覚悟、絶対できませんね。

ちょっとクールダウンして気楽になりませんか。
動物にどれだけ入れこんでも、彼らとのコミュニケーションには厳然たる壁があります。私など、それを目の当たりにするたび、うーん、これが種の違いというものの哀しさだなぁ、と感じますね。動物の行動を勝手に擬人化しても、けっきょく自分の思い入れの強さをそこに見ているだけで、しばしばそれは動物側の真実とはかけはなれているんじゃないですか。
お互いに分かり合える、触れ合えると思う瞬間もある、それが想像力豊かな人間を惹きつけるんですが、彼らにはやっぱり鋭い爪があり、牙もあるんです。名前を呼んだら振り向くからといって、足元にじゃれついて甘えるからといって、彼らのほうでは自分と人間を同一視してはいませんね。同一視しているのはむしろ人間です。猫の子育ての様子を見て、感動できたり考えさせられたりするのは、脳の発達した人間だからです。猫が人間の子育てを見て、「あ〜、私もこの子達に英才教育しなきゃ」と考えるなんてことはありえません。
動物の無邪気な仕草って確かに可愛く見える。私も初めは無性に可愛いなぁと思いましたが、「そうか、種が違うんだな」と、どうにもならないコミュニケーションの壁を意識したとたん、なんかこう憑き物が落ちた感じがありますね。で、言うんですが、もっと気楽に考えたらって。

もちろん、これも程度問題。
避妊もさせないで動物を飼い、生まれたばかりの子供を、飼えないからといってゴミみたいに捨てる、なんていうことは、いたずらに命をつくっては殺す、ということと同じなので、そんな無責任な飼い方はモラルに反すると言われても仕方がない。でも、「ペットショップで買った猫と、どうも気が合わないので、親戚にあげようかな」、あるいは、「ダンナが猫アレルギーになったので、いっそ里子に出そうかな」、それくらいの余裕が気持ちにないと、あまり責任責任と思い込んでちゃ飼えないですよ。こんなはずじゃなかったのに、などと思いながら世話を続けるより、ずっとましだと思いますけど。猫にしても、新しい里親のほうが気に入るかもしれないし。
猫との一番いい出会いは、近所の野良猫を何匹か手なずけてみるに限ると思いますね。で、そのなかから自分によくなついて気に入った猫を家猫にしてやったらいいんです。不妊手術や健康診断、寄生虫の駆除などに多少お金がかかっても、もともとの猫はタダだから、ペットショップで買うよりはそりゃずっと安くつきます。「一生」とか「家族として」とか大袈裟に考えるなら、結婚と同じ、その猫としばらくつきあってみたらいいんじゃないかって。これって一番自然な出会いだと思うんだけど・・・

ペットショップの子猫が可愛いのはほんの数ヶ月。子猫は人間の子と一緒で、育てるのにエネルギーを使うし、大人になるにつれ毛の色だって変わってくる可能性が。それよりもうちゃんと育った元気な野良猫をひろってくる。なんだかんだと馴れ初めのエピソードだってできるでしょうし、そうしたら、いきなり買って家に連れてきた猫より、もっと愛着がわくだろうと思います。
まぁ、「せっかくブリーダーから何十万もだして買った猫なんだから」そういう愛着の持ち方も、それはそれでいいと思いますが。
どんなかたちにせよ、やっぱ、愛がなくちゃね(^^)
自分が気に入った猫を無理のない範囲で世話をする、そうでなきゃ長続きしないでしょ。
と、タレの脇の下にできた頑固な毛玉を櫛でほぐしてやりながら、今日は思ったのでした。

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