猫の寝息

今日はまた朝っぱらから夫と猫洗いをして疲れました。
なんかね、きのうからオレの背中がうっすら黒く汚れてたんです。どうも駐車場に停めてある車の下を通ったりするもんだから煤煙や機械油なんかがつくんだと思いますが、べたっとしてて水で拭いてもとれないんですよ。しかたないので、そのうち洗ってやろうと思っていたら、本人も気になるのかしつこく背中をなめてばかりいるんです。そのなめ方も、毛を歯の間にくわえて引っ張るようにするんで、へたすると毛が抜けてしまう。もともとこいつの背中は毛が薄いので、今日の朝みたら小さなハゲができてました。まるで皮膚病みたい。可哀相なので、こうなりゃしょーがないなとさっそく洗ってやりました。洗って乾かすと、べたっとした汚れも取れて、ふわふわの毛に。

猫用に買ったシャンプーは蚤取りシャンプーなので、あまり頻繁に使うと人間、猫双方によくないと思い、今回は人間様用のボディシャンプーでごしごし。お肌が弱い私のために買った、無香料で皮膚への刺激の少ない敏感肌用のボディシャンプーです。猫用よりずっと高いのに、人間を洗うより猫を洗うほうが、シャンプーの消費量は多いんですよ。あー、もったいない。
でも、オレはほんとに洗いやすい猫だと思います。もう慣れてきたのかもしれませんけど。デカイので、動かないように抑えておくのに力が要りますが(これは夫の役目)、手足の先をごしごし洗っても絶対爪を出さないし、にゃあとも文句を言わず、目を真ん丸にしたまま、わりとなすがままにされてますね。猫はお風呂嫌いだといいますが、こいつの場合、案外まんざらでもないのかも?

ドライヤーでさーっと乾かして、生乾きのままほっといたら、あとは猫自身が自分で体の水分をなめとります。そうするとだんだん乾いてきます。
今日は、もう乾いたかなぁというころ、急にそわそわし始めて、なんだろなーと思ってたら部屋の隅においてあるダンボール箱に自ら飛び込みました。ふだんは外で用を足すんですが、もしもの時のために、チラシなどを細かく引き裂いてダンボール箱に入れ、猫の簡易トイレとして常時置いてあるんです。しばらく狂ったように紙屑を引っ掻き回してましたが、ウン○をする姿勢を定めるやいなや、その音が・・・・
あのねぇ、そんな大きな音まで立てなくても(~_~;) なんて下品なやつ・・・
用を足すと箱からでるんですが、猫って面白いですねぇ、その箱のまわりは絨毯で、砂もないのに、ちゃんと絨毯を引っ掻いて、自分のウン○に砂をかける真似だけはするんです。本能ですかね。
「ブツ」のほうは、くさいので、私が速攻で片付けるんですが、オレはじーっとこっちを見てますよ。なんと思ってるんだか。でも、こんな半野良でもちゃんとトイレを覚えるもんですね。簡易トイレを設置してやってからは、私が常時みているってこともありますが、一回も粗相したことないですよ。猫がそわそわしだして、!?と思ったら、すばやく抱いて箱に入れ、ウン○させてやる。これを繰り返せば必ず覚えるんですね。あとはそのへんに転がしとけば一日じゅうでも寝てるし、猫ってほんと飼いやすい動物です。怪我だのお風呂だのウン○だの、といろいろ世話してるあいだに、私もなんだかいっぱしの猫飼いみたいになっちゃった(~_~;)

オレはどう思ってるのか知りません。
でも、呼べば来るし、あまりべたべたしないけれど、部屋のなかでもさりげなくくっついてくるし、ある程度のコミュニケーションはとれるようになった気がします。だって、いっつも昼間は一緒にいるんだもんね(^^)
たいてい、夫が仕事にでかけていったあとは、この部屋で猫とふたりぼっちです。ときどきくろがきて一人と二匹になったり、さらにみけまで加わって一人と三匹になったりするけれど。でも、基本的に、四月の半ばにタレとお別れしてから、オレはずーっと毎日来てるんですもんね。もう五ヶ月のつきあいですよ。お互い、気心も知れるってもんです。
ふたりぼっちっていっても、オレはどてっと寝てるだけで、私はこうやってパソコンに向かったり家事をしたりしているわけですが、でも、振り向けばそこに猫の寝顔があるって、なんだかなごみますよ。熟睡してるときなんか、むにゃむにゃ寝言いったり、すぴーすぴーって寝息たててる。鼻の下に指をもっていくと、鼻息が指の先にあたります。あー、こいつもいっちょまえに生きてるんだなぁって思う瞬間ですね(^^)

猫たちがいなかったら、ここの生活ももっと孤独に感じたかもしれません。
向こうはどう思ってるのか知らないけれど、私はちょっと猫たちには感謝してますよ。
まずは私自身をなごませてくれることに。
それから、こんなちっぽけな、ほとんどなんの役にも立たない存在でも、ときに必要とされ、感謝されもする、その事実を自ら身をもって教えてくれていることに。

オークランド動物園

このまえの日曜は、ここから車で30分ほどのオークランドにある動物園に行ってきました。
わりとゆったりとつくられていて、日曜にしては空いていました。動物の種類は少なかったんですが、小さな山羊など大人しい動物に直接餌をやれるコーナーがあったり、リフトにのって動物たちを真上から眺められるようになっていたり、けっこう楽しめましたよ。
なかでも面白かったのは、虎ですね。ベンガル虎のごついのが、まるでオレやくろみたいに、ぐで〜っとお腹を見せて寝ていたんです。あ〜、ほんとに猫科だねぇという感じ(^^) 今まで動物園に行っても、あんなだらしないというか、無防備な虎の姿を見たことないですねぇ。たいてい狭い檻のなかをせかせかと行ったり来たりしてるもんだと思うんですが。でも、このごろは動物愛護の観点から、観客からは見にくくても動物たちにとって少しでも心地よい環境を、という運動の影響もあるんでしょう、ほんとに園内がゆったりと仕切られていて、虎もライオンも、あんなにのんびりしている。まぁ見た目、ほのぼのしてましたね。
私たちも、久々に休日っぽい休日を過ごしました(^^) いつもはグデ〜っと寝てるか買い物に追われてるかなんですけど。

さて、11月2日に帰国のチケットを予約しましたので、もうあと残りわずかなリバモア生活です。アメリカ滞在中、東海岸にも行ってみなければ、と、今月の末から来月にかけて四泊ぐらいでワシントンDCへ行くことも決まってます。しかし! なんと、飛行機のチケット、ワシントン往復でも日本に往復するのと変わらないくらい高いんです。びっくりしましたね〜。もっと安いと思ってたんで。でもね、考えてみたら、飛行機で五時間ぐらいかかるんですよ。同じ国のなかったって、カリフォルニアとの時差が三時間。やっぱりアメリカは広いんだなー。カリフォルニア州だけで、日本より広いんですものね。うーん、飛行機のチケットが高いのも、仕方のないことか??
夫はもちろん初めてのワシントンDC。私は十二、三年まえに、ツアーで行ったことあるんですが、なにしろよく覚えてないです。こんど行ったら、またいろいろ思い出して、新たな感慨があると思いますが。

夫はやはり科学者のはしくれなので、なにはさておきスミソニアン博物館に行きたいと言っています。アポロ宇宙船とか月の石とかが陳列してあるところです。なんかねぇ、毎晩スタートレック見てるもんで、アタマがボイジャーモードになってて、なに?いまさら月の石?って感じなんですけど(~_~;) いやー、毎日見てると洗脳されますねぇ。
思うんですが、やっぱりこっちの人ってトンデモ好きですよ。テレビ番組だって、「アンビリーバボー」みたいなトンデモ番組多いし。ついでに、お下劣なのもありますね。女の人が脱いじゃうような。まぁ、肝心な部分にはしっかりモザイクかかってますけど。日本でも、ありますよね、深夜番組でそういうの?
ん〜、人間、考えることは同じってわけですか(~_~;)

オレ、病院へ

きのうはまた大変でした。
とうとうオレを病院へ連れていく羽目になっちゃったんですよ。

朝、いつものようにオレを入れてやったら、のっそり入って来るのはいいけど、よくよく見たら右胸の上部に傷口が。そこは前に怪我をしたところで、あれ以来、治ったり、またカサブタをひっぱがしたりしながらも、少しずつ良くなっているかと思っていたんですが、実はぜんぜん治ってなかったんですね。毛に隠れて見えなかったけど、あらためてオレを押さえつけてよく見たら、けっこうひどいことになってる。夫にも見せて、どうしようかと相談したら、「そんなん猫のことやから、勝手に直すで」と。でもねー、もうかれこれ一ヶ月以上、良くなったり悪くなったりを繰り返して、結果的にはなんだか悪い方向に傾いていってる気がするんですよ。きのうは、またカサブタがはがれたのか、自分ではがしたのか、中の組織が1cm四方以上にわたって生々しく見えてる状態。病院へ行ったほうがいいんじゃないかと思ったんだけど、とりあえず近くのペット用品店へ行ってみることにしました。ペット用の消毒液とか飲み薬とか、ひょっとしたらあるかもって。

お店の棚を探しても見当たらなかったので、そこにいたお姉さんをつかまえて、かくかくしかじかとオレの状態を話してみました。そうしたら、そのお姉さん、獣医じゃないけれど何か動物をケアする資格をもっているみたいで、「この店には抗菌薬は置いてないけれど、薬は人間用のものでも代用できます。あなたの猫を見せてくれたら、もし必要ならば処方箋を書いてあげることもできるんだけど」と親切にいってくださる(ちなみにアメリカでは、人間の場合でも、病院では処方箋をもらい、ドラッグストアに行って薬を買う、というのが一般的なスタイルです)。
善は急げと家まで取って返し、ごろんと寝ていたオレの襟首ひっつかんで無理矢理ダンボール箱に押し込み、有無をいわせずまたペットマートまで。
レジの台のうえで、お姉さんがオレの傷を丁寧に見てくれたけれど、これはちょっとひどいから、薬よりも病院で縫ってもらったほうがいいわねと言われてしまいました。で、お姉さん、さっそく例のインド人の先生がいる病院(タレを連れていったところ)の名刺を出して来て、ここ、知ってるでしょう?(って、すぐ道路はさんで向かいなんだけど)ここの診療はリーズナブルだし、今から私が電話して予約入れてあげましょうか、と言うんです(アメリカでは人間も猫も、病院はみんな予約制)。予想外の展開にとまどってしまい、顔を見合わす私たち。でも、ここまできたら後にひけないし、いったんは「いや、自分で電話します」と言ったものの、また電話でつたない英語に苦労しつつ症状を説明するのもわずらわしいし、ここでまかせちゃえば楽だという気になって、終いには電話をかけてもらうことになりました。運良くすぐに予約が取れ、その足で病院に向かうことになり、なんか、もうあれよあれよという間に、気がついたら病院の受付に着いてましたね。
ペットマートのお姉さんのあまりの親切と手回しの良さ(名刺まで持ってたんだから)に、「もしかして、ペットマートとこの病院が結託してるのか?」とか思いましたが、とにかくオレの傷が治らないのは事実だし、一度見てもらえばすっきりするからと納得したんです。

さて、問診表を書き、診察台に通されて待つこと数分。オレはなにがなんだかわからず、借りてきた猫っていう表現そのままに怯えてましたね。タレのときはもっとウーウー唸ったりシャーっと威嚇したりしてましたけど、オレは大きな図体してても気は小さいのか、私の腕のなかで震えてドキドキしてるばかり。なんも恐くないよ、恐くないからねー、と小声で言い聞かせていたら、例のターバンを巻いたインド人の先生が。体温測定の結果や傷口を診察して、「発熱してるし、これは縫わなきゃだめでしょう」みたいなことをおっしゃいました。今夜やりますから、一晩ここに泊めることになりますよ、トータルで$150〜170ぐらいだけど、と・・・。
$150〜170・・・た、高い・・・でも、う〜、こーなりゃしゃーない!
半年近くも一緒に暮らして、もう家族みたいなもんだからね。こいつも。たかが怪我ぐらいと放置して、早めにしかるべき処置をしなかった私たちが悪かったのかも。
先生にお願いしますと頭をさげ、手術の同意書にサインして、オレをそこに残して帰ってきました。一夜明け、今晩七時ごろ引き取りにいくんですが、さっき電話してみたところ、手術は順調にすんだそうです。ひとまず安心ですね。
人間と違って、犬猫は自分が何をされてるか理解できないから、ちょっとした処置でも全身麻酔をかけなきゃいけなくて、そうなりゃ麻酔事故のリスクも多いし心配していたんですが、何はともあれ、よかったよかった。
まぁ、私たちのフトコロ具合はちょっと寂しくなったわけですが・・・ううむ、これからしばらく外食は控えて倹約するとするかな(~_~;)
〜*〜*〜*〜

オレを迎えに行って帰ってきました。
夕食もすませ、ほっとくつろいでいるところです。

まずは訂正から。
ペットマートのお姉さんですが、夫の話を聞き間違えてました。べつに資格みたいなのがあるんじゃなく、その逆でした。つまり、彼女は何の資格もないし診療行為は違法になるけれど、猫ならたくさん見ていて詳しいので、アドバイス程度になら見てあげてもいい、というようなことでした。もちろん、処方箋も書けないので、それはただたんに、人間の薬で代用できるものを教えてあげる、ということらしかったです。夫からそれらの話を聞いていたんですが、どういうわけか私が聞き間違えてしまってました。すみません。

オレのほうは、可哀相に七針も縫われてました。まわりにふたつあった小さな傷も切開して一緒に一本の傷として縫ったみたいです。そこだけ10cmぐらい楕円形に毛を剃られて、黒いビニールの糸でしっかり縫われています。ちょっと見にはえらい怪我ですよ。
抗生物質の水薬をわたされて、朝晩のませること、それから、二週間後に抜糸するまで外に出してはいけないとも言われました。
やれやれ。こいつを家に閉じ込めなきゃならないなんて。どうなることやら。
病院からこのアパートまで車で五分もかからないくらい近いんですが、オレは病院でも車のなかでも、私にしがみついてぶるぶる震えてました。知らないところがよほど恐いんでしょうね。
家まで帰ってくると、もう慣れたところなので、さっそくゴハンゴハン〜と鳴いてねだり始めましたが。
それにつけても不憫なやつです。はやく傷が癒えて、毛がもとのようにふさふさ生えてくればいいと思います。


ワシントンDCとバルティモア 1

四泊五日でワシントンへ行ってきました。ついでに、電車で小一時間の距離にあるバルティモアという街にも。
サンフランシスコから飛行機にのって約五時間くらい、カリフォルニアとの時差が三時間です。旅の初日は午前十一時発で午後七時着、三時間短い一日。最終日は午後四時四十五分発で七時着の三時間長い一日となります。

ワシントンの印象は、整然と造られた、だだっ広い官庁街、という感じですね。海外から、あるいはアメリカ国内からの「おのぼりさん」がたくさん歩いていて、あちこちで観光ガイドを広げていたりするので、私たちも気兼ねなく街角に立って地図など広げていられます。
一番の見所、白いホワイトハウス、モニュメント、国会議事堂がどどーんと一直線上に並んでいて、それらが緑の芝生と木々の公園に囲まれ、視覚的にゆったりと美しく、さすが首都の名に恥じない洗練された雰囲気をかもしだしています。緑の木陰にはリスがちょこまか遊んでいるし、ベンチはいたるところに置いてあるし、お天気がよければ、のんびり散策するのにもってこいの場所です。
また、とてもこんな短期旅行では観光しつくせないほど、美術館や博物館が立ち並び、それらの内容も充実していて、しかも嬉しいことに入場は無料です。すごいですね。アポロ11号が持ち帰った月の石も、ホアン・ミロの絵も、三葉虫の化石も、それぞれの博物館・美術館で、タダで見れちゃう。うーん、この大盤振る舞い! さすが、アメリカはリッチですね(^^)

ホワイトハウスは中を見学できますが、あらかじめずいぶん前から予約しておかないと駄目みたいで、私たちが行ったときにはもう昼前だったんですが、やはり観光客で長蛇の列ができていました。とても並んで入る気にはなれなかったですね。柵の外から記念写真を撮るだけになってしまいました。
国会議事堂も、アメリカ在住の人間なら入ることができるんですが、これもあらかじめ手続きが必要。こちらは観光客は入れないみたいです。
せっかくの機会なんで、もっと前からいろいろ準備をしていたら、と思いましたが、何しろ私たちがグズなのと、日程的に不安定だったもんで、今回は残念ながらどちらも入場できないことになってしまいました。でもまあ、それ以外にもたくさん見るところがあって、ほんと、あちこち見て回ってたら忙しかったんですよ。グズな私たちにしてはめずらしく、精力的に観光をこなした旅行でした。


ワシントンDCとバルティモア 2

きのうは、やっとオレを抜糸に連れていきました。
やれやれ、これで深夜の運動会から解放されます(~_~;)
なにしろ、家に閉じ込めているあいだ、昼間はグータラ寝ているからいいんですが、夜になると目が冴えて、やれゴハンだの、やれ退屈だからかまってだのと、うるさいことこのうえなし。トイレのしつけはかなりあやしいながらもまあまあうまくいきましたが、ちょっと目を離すと玄関の靴のなかにオシッコしようとしてたりして、うぎゃー、間一髪! という場面がしばしば。
私たちが旅行しているあいだ、病院に預けるつもりだったんですけど、その日の朝というときになって、わずかなスキを見てダダダっと脱走。探しましたが、見つからず。仕方がないので放置です。心配しましたけど、まぁ順調に治ってたみたいですね。こちらとしても、ほっとしたことです。ゆうべは夫と、「あ〜、猫のおらん夜って平和やなぁ」といいあっていました(~_~;)

さて、ワシントンから快速電車で四、五十分行ったところにバルティモアという古い街があります。じつは、私たちの友人が結婚してここに住んでいるんで、訪ねていったわけなんですが、整然たるワシントンとは違い、なんだかうらさびれたというか、不穏な雰囲気が漂う街でした。それもそのはず、ここは全米で三番目に治安が悪い都市だということなんです(まぁ、ワシントンだって、一歩観光地帯をはずれれば危険なところはいっぱいなんですけど)。
いや〜、しかしびっくりしましたね。平和なリバモアとのあまりの違いに。もう街をぐるっと一見した感じから違います。古いアパートメントなどは空き家があちこちにできてぼろぼろ。いったん空き家ができると、そこがごろつきの溜まり場になったりして、それが嫌になった住民がまたどんどん引っ越していき、しまいにゴーストビルと化す、ということらしいんです。道路際にはきれいな芝生もなく、ごみが散乱し、もちろん花壇なんて優雅なものもなく、ところどころに黒人が数人で所在無さげにたむろしている様は、さすがにちょっと一人では歩けないなぁって感じ。車を止めるのもなんだか危険ってな感じですね。

べつに私自身は黒人に偏見があるわけじゃありませんが、この国において、やっぱりまだ黒人や有色人種差別は現実にあると思いますし、所得格差があり、それにともなって犯罪率の格差があるのは事実です。誰もそんなことは話題にはしたがらないし、あからさまに認めようとはしませんけどね(このあいだのオリンピックに関して、マークさんに、「陸上の選手は黒人ばかりなのに、なぜ水泳では黒人がいないのか不思議だ」というような話をしたら、そういうことについては各人がいろんな意見をもっていて、話し合ってもエキサイトするだけで不毛だからあまり話題にしないほうがいい、みたいなことを言われてしまいました)。
とにかくバルティモアに来て、リバモアではめったにお目にかからないブラックピープルがたくさんいるのにびっくりしました。なんと全体の65%が黒人だそうです。
うーん・・・こういう街もあるんですよねぇ、やはり。のんびりした田舎のリバモアから来た私はちょっとカルチャーショックを受けてしまいましたよ。

帰国準備

このリバモアでの生活も、とうとうあと二週間に。
いま、帰国の準備をすすめているところです。家具などはリースなので、会社に言って引き取ってもらうだけだから手間はいらないにしても、その他に買ったものがけっこうあって、大きなものでは27インチ型テレビ、電子レンジなど。あと、なべ、フライパン、お皿やコップなどのこまごましたもの。どうやって処分するか、頭を悩ませています。まぁ、いざとなったらスリフトショップ(中古品店)に寄付しに持っていったらいいんですけど、テレビなんかさすがにもったいないしなぁ。誰か買ってくれないかしら。うん、いや、そんなにセコイこと言わないでもいいんですけど(~_~;)
先週末には、春夏ものの服やなんかをまとめてダンボールに入れ、日本に向けて船便で発送しました。今日、飛行機のチケット代も振り込んだし、着々と準備は進んでいます。あと二週間っていうと、もう暮らすというより、ほとんど旅行と同じですもんね。

夫は最初から最後まで「日本がいい〜。早く帰りたい〜」と言ってましたが、私はなんだか少し寂しいような、忘れ物をしてないかとそわそわ落ち着かないような、そんな気分です。
最近になってレネさんたちと親しくさせてもらっていて、もっと早く知り合っていればと悔やまれますが、一年っていうとどうしても、これから腰を据えて何かできるかな、という時に帰ることになっちゃいますね。以前の中国留学のときも、そんな感じでした。
周りのことが少しわかってきて、これから外に出て行けるかな、と踏み出しかけた頃に、帰る羽目になる。もちろん、もっとすんなり馴染める人もいるだろうし、もっと早い時期からエネルギッシュにスパートかけられる人もいるでしょうけど、私たち夫婦そろってグズなもんで(~_~;)
夫は夫で最後まで研究と論文書きに追われることになりそうだし。

いや〜、しかし、どこでも住めば都ですねぇ(^^)
少なくとも、生活には慣れましたから。こっちにいればこそできること、食べられるもの、だんだんわかってきて、まぁこんなのもいいかなと思うようになったってことです。言葉以外、そんなに不自由感じてないですね。ホームシックにもならなかったし。あ、交通の不便さっていうのはありますけど。やっぱりアメリカの郊外だから。車がないと、所詮どこへも行けないし、何もできません。そういう意味で、運転しない私には不利なところです。都会生活すればいいんですが、それはそれで物価とか安全面で、不都合もあるでしょうし、どちらがいいとも言えませんね。むしろ郊外ののんびりゆったりした感じって、日本に暮らしていたら、私たちの場合、味わえなかったことですから、サンフランシスコ市内とかより、この広々と寒々しいリバモアでの生活のほうが、私にはよかったと思ってます。

そう、猫たちとの出会いもあったし。

ほんと、私が一番つらいのは、オレを置いていかなきゃいけないことなんですよねー。
オレは傷も治って元気にしてますが、私たちがいなくなったら一体どうするんでしょう。
毎朝毎朝、おはようってベランダを開けてやると、うにゃうにゃ言いながら部屋に入って来る。餌を食べると夕方までごろごろ寝て暮らし、好きなときに出ていって、怪我をしたといっちゃあ病院で手当てしてもらえる・・・おまえ、もうこれからはこんな極楽生活ないんだよ。また人の軒下を借りて寝ちゃあ、どこぞのお家で餌をねだり、もらえなかったらもらえるまで何軒か回る、そんな生活だよ。毛並みが汚れても洗ってくれる人はなし、怪我をしても誰も気にかけてくれないかもしれない。・・・どうする?

私たちがこのアパートを去るのは今月末ですが、それからもきっとこいつは朝になるとこのベランダに来て、誰かがガラス戸を開けてくれるのを待ってるのかも知れない・・・そう思うと心底可哀相になります。ほんと、何回も、また里親探しセンターに連れて行くことを考えましたが、センターだってそう甘くないんですね、実は。里親探しに失敗すると、待っているのは安楽死と聞きました。シビアな現実です。何週間もケージに閉じ込められたあげく、ここに帰って来ることもできずに安楽死なんて、悲しすぎる。タレのときは、そんなこと(安楽死)が待っているなんて知らなかったから、気楽に預けられました。それに、一ヶ月以上たって里親が現れなかったら、またひきとって、ここに放してやろうと思ってましたしね。今回はそんな余裕はありません。このままここに置いていくのみです。日本に連れて帰っても、こちらとは気候も違うし、狭いマンションのなか、くろやみけなど友達と別れての孤独な室内生活もよけい可哀相だから・・・

ま、もともと私たちがいなくても、こいつはこいつでここで生きてきたんだから、これからも、もちろん生きていけるだろうと信じています。猫好きの人もたくさんいるみたいだし。
ただ、私自身が寂しいだけなのかな。
私自身が寂しいから、それをこいつの身の上に転化して、可哀相がってるだけなのかもしれません。本人は案外、私たちがいなくなっても平気の平左なのかも。猫は、三年の恩も三日で忘れる生き物だっていいますもんね。この場合、半年の恩だから半日か(~_~;)
オレ本人がこれを読むことができたら、「そんなに恩着せがましくするニャ!」とでもいいそうです。でもね、オレ、恩を着せてるんじゃニャいよ、ただ、別れが寂しいだけニャんだよ、私のほうはね。おまえはどうだかしらないけれど・・・

ありがとう

いよいよここでの生活もあとわずかになってきました。幸い、大きな生活用品はほとんど引き取り手がきまって、あとは、こまごましたものを片づけていくだけです。
ベランダに置いてあった椅子とテーブルは、お向かいさんが買ってくださいました。いまは、ガランとしたベランダを見ながらこれを書いています。

この部屋を出てしまうのは、30日の月曜。その直前の土日にテレビやいろんなものは引き取りにきてもらって、自分たちも帰国の荷造りをし、最終的に30日には家具会社が家具をぜんぶ取りにきます。それで、一切合切が終わりです。あとは、この近くのモーテルに二泊して、もう一泊はたぶんマークさんのところに泊めてもらえると思います。そうしたら、翌日はもう飛行機に乗るだけです。
ここを去るとき、家具も、壁の絵も、何にもなくなったこの部屋を見て、どんな気持ちがするでしょうね。
ベランダの椅子やテーブルがなくなっただけでも、なんだか寂しいと思うのに、そうなったら、きっとそれ以上に何か感じざるを得ないんじゃないかな・・・

いや〜、一年も住むと、自然と情もわくもんですね!
初めはこんなところ、絶対に好きになれないと思っていたとしても、いざ別れるとなると、「もうこれから一生の間に、ここに来る機会はまずないだろう」と思ってしまう。たとえ来る機会があったとしても、そのときには、また違う条件ですから。この今のこの生活はもう、これですべて終わってしまうんです。そう考えると、やっぱりフクザツな気持ちになります。あー、やっと終わった、せいせいした、って気にはなれないですね、私は。

ここに来たばかりの頃は、まだ西も東もわからず、そのうえ体調も思わしくなく、孤独にひきこもっていましたが、少しでも知人・友人ができると嬉しいものです。最初は猫たち。そして、今ではレネさんやジムさん、マークさん。けっしてたくさんの友達ができたとは言えませんが、みんな、いい人たちです。
ロスやワシントンなどにも行ったし、様々なものを見、少ない交友関係のなかでも、じゅうぶんに「いろんな人がいて、様々な生き方があるんだなぁ」とつくづく考えさせられました。それは素晴らしいことかもしれません。また、考えたことはこれからこのホームページでぼちぼち書いていくつもりです。
ここにいればできること、行けるお店、食べられるもの、みんなみんな、きっとすごく懐かしいものになっていくんでしょうね。プレザントンのピザ屋も、SAFEWAYで売っているいろんなパンも、アウトレットのTJ-MAXXも、帰国してまた変わらぬ日常が始まれば、みんなみんな、それらは思い出のひとこまになっていく・・・
悲しいとかつらいとかじゃなく、これは感傷ですね。
やっぱりアメリカよりヨーロッパが好きだけど、やっぱり英語より中国語のほうが好きだけど、やっぱりステーキよりお寿司のほうが好きだけど、やっぱりもろ手を挙げてビバ・アメリカとは言えないけれど、それでもこの一年、振り返ってみれば悪くない生活でした。うん。

過ぎてしまえば短い間だったけど、ありがとう、この街。
ありがとう、お世話になった方々。
ありがとう、SAFEWAYの店員さん。
ありがとう、最後まで私とつきあってくれたオレにくろ。
ほんとに、ありがとう。

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