風邪に御用心!

ここんとこ、二日あまり、風邪をひいてダウンしていました。扁桃腺が腫れて痛み、熱がでたんです。しかも、体温計ではかってみたら、最高で39,7度という高熱。もー、しんどくて(-_-;)
あの「流星の一夜」で凍えて以来、なんか喉の調子わるいなーと思っていたのに、外出ばかりしていたからでしょうか。とにかく、久しぶりの病気らしい病気で、けっこうこたえました。
40度近い熱が出ると、はじめはすごい寒気がして、ヒーターの前から離れられません。身体じゅうの関節や筋肉が、ずきずきぴりぴりと痛んできます。食欲もなく、起き上がって水を飲むのも息をするのもつらい、という感じです。もうたまりかねて、真夜中だったけれど、家族に頼んで近所の病院まで連れていってもらいました。解熱剤や抗生物質などの入った点滴を受けて、少し楽になったんですが、ほんと、久々につらい思いしましたねー。熱がとれた今もまだ、扁桃腺と首のリンパ腺が腫れてます。

普段、健康のありがたさなど特に意識しないのですが、こんなふうにつらい思いをすると、やっぱり元気なことが一番いいと痛感させられますね。よく、身体が頑丈な人だと、他人の身体的な弱さに思い至らないなどということがありますが、ある程度はしょうがないのかも。友人が熱をだして寝込んでいるときに、実の父親がやってきて「熱が出てしんどいって、どんな感じだ?わからん」などと真剣な顔でいうので、呆れてしまったという話を聞いたことがありますが、どうやらそのお父さんは丈夫な人で、風邪をひいて寝込むなどということはなかったらしいのです。
病気を治したり、症状をやわらげるクスリはたくさんありますが、五分間だけ病気になれるクスリがあれば、面白いんじゃないでしょうか。五分間だけ熱が出る。五分間だけ足が麻痺する。五分間だけお腹が痛くなる。五分間だけめまいがする・・・そんなクスリがあれば、きっと、みんながもっと身体の弱い人や病人をいたわれるようになるかもしれません。お医者さんや看護婦さんなどは一通り飲んでみることを義務づけられるなどとして。よくあるでしょ、お医者さんがガンにかかって闘病生活をおくるうちに、患者さんを見る目が今までとは違ってきた、なんていう話。もっと患者の気持ちをくんでいかなければ、などと、それまであまり思ったことのないことに気づく、というような。
ほんと、立場が変わると物の見方もガラリと変わりますからね。男の人には「陣痛体験薬」なんて錠剤、ティーンエイジャーには「老眼になるクスリ」などお勧めではないかしら(^^)

もうクリスマスまであとひと月になってしまいました。街にはさまざまに趣向を凝らしたツリーが飾られています。それが片づけられれば今年もあとわずか、お正月を待つだけ、ということに。
これから、忘年会や楽しいイベントなどをフイにしてしまわないよう、みなさま、くれぐも風邪には御用心!


香りの楽しみ

いま、コーヒーを飲みながらこれを書いていますが、まだ風邪がすっきり治りきらず鼻のほうまでイカレてしまい、香りがわからないので、どうも味気ないです。嗅覚が駄目になると、ほんと、食べ物のおいしさって、十分の一以下になってしまう感じがしますね。我々が、鼻でも食べているということが、よくわかりました。
堅さ、なめらかさなど食感や、甘いとか辛い、酸っぱい、などの大まかな味は舌で感じるんですが、あとの細かいニュアンス、微妙な「うまみ」というものは、やっぱり嗅覚に頼っているところが大ですね。
でも、この「匂い」って、けっこうつかみどころのないものだと思いませんか。

匂いに対する感性って、なんか生々しいというか、本能的なものだと思うんです。そして、デリケートで再現しにくい。こういうサイバー空間やテレビ、映画などでも、匂いの再現だけはできないですね。テレビや映画館のスクリーンから匂いが漂ってくるようになれば、いったいどんなことになっちゃうでしょう。たとえば、食事するシーンのとき、焼き肉やカレーの匂いその他が漂ってきたら。それでなくても、食べ物のコマーシャルなどのたびに、気が狂いそうになりますよね(~_~;)
人間の目や耳は、色や形、音の洪水にも平気だけれど、鼻はきっと耐えられないんじゃないかしら?三分ごとに嗅いでいる匂いがくるくる変わったりすれば、ほんとにヘンになりそう。

身体から生々しさを取り去る習慣というのは、現代社会におけるひとつの流れだと思いますが、ここでも匂いがポイントではないでしょうか。同じ服を着て、同じような顔をしていても、側に寄ったとき体臭がするのと、何の匂いもしないのと、香水の匂いがするのでは、まったく違う印象を与えますよね。体臭がするなんて、ひどく生々しい。で、これについての好き嫌いは、もう本能的なものですから、聞いてみるとびっくりするようなことを言う人がいます。私の知っている二十代のある女の子は、「私じつは、男の人の汗の匂いがスキ」というんですよ。私は思わず、「えっ、ほんと?あんた、変態じゃない?」と口走ってしまいました(~_~;)
体臭というのは、どうも、すごく生活感があるし、きつい場合は生々しさを超えて不潔感にも通じてしまいますよね。もちろん、彼女のいいたかったのは、その一歩手前の「かすかな汗の匂い」なんでしょうけど。まあ、それがセクシーだと思う人もいるということです。

欧米人などはデオドラント商品も使うし、香水も平均して日本人の三倍くらいは使うんじゃないでしょうか。アメリカの喫茶店で何か食べようとしているとき、私のあとから入って来て隣のテーブルに座った若い女性から、強烈な香水の匂いが漂ってきて、もうげんなりしてしまったことがありましたが、そういうのも、あまり気にかけないようです(-.-)
ダイエットを試みられるかたは、香りで食欲を減退させるということもやってみてはいかがでしょう?口寂しくなったら、濃厚な甘い香りを嗅ぐ。思わず気分が悪くなって食べる気力をなくします。ディオールのポワゾンやサンローランのパリなどが食欲減退目的にぴったりかと思います。

私自身も香り製品は大好きです。ひところお香に凝りかけたことがありましたが、これは部屋が煙ですすけてくるので、いまはあまりやりません。それに、日常的にトワレやオーデパルファンなどを使っていますから、香りが混ざるのも嫌だし。デパートや香り製品を売っているお店が目に付くと、行って新製品などあれば、テスターをとってクンクンしてみます。そこへいくといつもそうするので、まるで縄張りを点検する犬みたい(~_~;)
個人的に好きなのは二系統あって、ひとつは花やフルーツを基調としたさわやかな香り。それと、バニラやスパイス、ムスクなどを配した少し濃厚な香り。前者は、お風呂上がりからちょっとしたお出かけにまで使えるオー・ド・グッチ、クリスタル、リアリティなど。後者は気分転換から割と気合の入ったお出かけにまで使うローマ、ニローンなどです。
花も、香りのいい花は好きですね。一番好きなのは、ユリの香り。カサブランカの甘い誘惑的な香りにも魅せられるし、鉄砲ユリの清楚なすがすがしさも捨て難い・・・う〜ん、どっちって決められません(^^)
そうそう、香りを使っている男性も増えましたが、私はけっこう好きですよ。夏なんか、むっと体臭がするよりも、かすかに爽やかな香りがするほうがいいじゃないですか。ここぞとキメるときのスーツには、さりげなく辛口の香りを漂わせていて欲しい。でも、みんな一緒の香りって幻滅。ひところのように、すれ違う男みんな、ck-oneかアンサンセだなんて、うんざりです。彼女の意向というのがチラつくし、なんとなく爽やかなのが無難だという気弱さが見え隠れもする。二十代後半から三十代なら、ちょっと難しいファーレンハイト、セクシーなベルサスあたりにもトライしてみて欲しいですね。


ビデオ二題

師走の街にはジングルベルが鳴り響き、たまにデパートへ行けばすごい人ごみで、なんだか落ち着かない季節です。風邪をひいたり忙しかったりで、なかなか更新ができなかったのですが、今日は最近見たビデオについて少し。

まず、二年ほど前だったか、話題になった「インディペンデンス・デイ」。
感想は・・・いやぁ〜、はっきりいって、もう人類は滅亡するのではないか?という感じですかね(-_-;)
このホームページでは、できるだけ、「〜はよくない」という否定的な文章は書きたくないんですけど、この作品だけは、ほんとに恐れ入ってしまいました。興行的には「当たった」作品でもあるし、けっこう期待して見たんですが。
なんといってもストーリーがお粗末すぎ、お話としてのリアリティがなさすぎ、とってつけたような展開のラストで、こちらは、笑うことを期待されているのか、泣くことなのか、それとも感動することを期待されているのか、さっぱり理解できません。もう、???の連続です。
数あるトンデモのなかから、エリア51の極秘地下基地、ロズウェル事件、宇宙人による誘拐なども、重要なモチーフとして取り上げられているのだから、もっと面白くなってもいいはずなのに、ぜんぜんいかしきれてないばかりか、おちゃらけて誤魔化した粗雑さだけが目に付きます。私は科学君も好きだけど、トンデモ君も大好きな「ふたまた」人間。彼らのどちらもが、けっきょくのところ馬鹿にされているように見えるこの作品、こんなのがアメリカ国民の支持を得て、しかもよその国にまでばら撒かれたのだから、セーガン博士はきっと、草葉の陰で泣いていらっしゃるに違いありません。
見終わったあとは口あんぐり状態、正気の沙汰とは思えないこのシロウト活劇に、また、それが興行的には当たってしまっている、ということに、「このまま人類は緩慢な脳死を迎えるのだろうか?」と、心底恐ろしくなったことです。そういう意味では、一見の価値ありかも。

つづいて、二作目は「アポロ13」。
これはよかったです。なんといっても臨場感があり、つくりものでない、ほんとうのお話が持つ重みのようなものが伝わってきます。
今から約30年まえ、アポロ11号が初めて月着陸に成功しました。人類は正真正銘、宇宙への第一歩を記したわけです。私はまだ小さすぎて、そのときの光景を覚えていないのですが、きっと全世界が興奮するセンセーショナルな出来事だったでしょう。皆が白黒テレビにかじりついて、月面と、そこに立つ白い宇宙服につつまれたアームストロングの姿を見守っていたに違いありません。
けれども人間はすぐに飽きるもの。13号が打ち上げられたときには、もはや月旅行もそれほど目新しくはなくなっていたんですね。信じられない事故は、そういう状況のなかで起こりました。暗い宇宙空間で、月に着陸するどころか、自分の生命さえも危うくなった飛行士たち。地球上で彼らと交信し、生還に望みをかけ、懸命にサポートし続ける管制センターの人々。いくつも深刻な危機があり、最後まで気を許すことはできません。それは、見ているこちらも同じです。
11号の月着陸という輝かしい成功にくらべると、この13号、本来の目的からすれば明らかに失敗です。けれどもその失敗に心を打たれるのは、そこに飛行士たちの生命がかかっているからであり、彼らの生還のために、ありとあらゆる手を尽くす、その必死の努力、なりふりかまわず知恵と体力の限りを尽くすその努力そのものに、本来、人が人として持つ愛や勇気、誠実を、かいまみるからではないでしょうか。それは、「インディペンデンス・デイ」の、あのお粗末で幼稚なヒロイズム、救い難い虚無的なドタバタとは、比較の対象ですらないものです。一見の価値あり。


旅物語

私は旅行が好きです。それも、国内より海外。海や山などのリゾートよりは、その国の素顔が見える普通の街がいい。違う国の文化に触れるのは、面白く、興味深いことです。国内旅行の楽しみは、もっとずっと年をとるまで置いておこうと思っています。

子供の頃から修学旅行などはあまり好きでない私は、やっぱりお仕着せのツアーも嫌いです。あらかじめ決められたタイムテーブルに沿って、みんなで行動するのが、面倒でたまらないんですよ。ちなみに小学生の頃、学校から配られる「夏休みの計画表」などを埋めるのも、大嫌いでした。気ままな思いつきで何かできる余地がないと、窒息しそうになるんです。だから、海外旅行のベストな方法は、行き帰りの飛行機とホテルを確保するだけ、あとはフリータイムというツアーで行くのがラク。ルートなど全て自分で組み立てて、泊まるホテルも自分で交渉する「地球の歩き方」式の自由旅行となると、それはそれでいろいろハプニングもあって面白いんですが、やはり危険も伴うし、緊張感で疲れます。お金はなくても、時間と体力には余裕のある学生さんには向いていますが、私など、もはや、「ちょっとしんどいなー」と思ってしまいます(~_~;)

現地に着くと、観光名所めぐりもいいですが、私は、小さな商店街やスーパーマーケットなどに一人でぶらっと入ってみるのが何よりの楽しみなんです。こういうことって、引き回し型のツアーでは、なかなかできないでしょ。でも、スーパーって、そこのリアルな生活がすごくよくわかるんですよ。有名ブランドのお店が入っているような大型デパートだと、ヨーロッパでもアメリカでも、日本でも、アジアでも、だいたい似たり寄ったりの感じがします。真鍮の金色や磨かれたガラスがぴかぴかしてて、花なんかが大量に飾ってある。現代的に洗練されてて、リッチな雰囲気。だけど、なんだかそれが画一的でもある。スーパーだと、もっと庶民的な雑多さがあって、その街の感じが色濃く出ているんですね。そこのごく普通の人々が、どんな暮らしぶりをしているか、想像できてしまうような。手ごろな値段の(でも、日本では絶対に手に入らない)おみやげなども、見つかりますし、言葉がわからなくてもだいじょうぶ、たいてい、そういうところの店員さんたちは、「観光客ずれ」していませんから、とても親切に応対してくれます。メモ帳に数字や単語を書いたり、身振り手振り、カタコトの英語な どで、じゅうぶんです。その国の言葉で、「こんにちは」「ありがとう」「さよなら」ぐらいは覚えていけば、それだけしか通じなくても、感動してもらえたりします。日本人はとりわけ親切な国民だといいますが、私は「親切でない国民」など、いまだ出会ったことがありません。旅行客が押し寄せる観光ルートを少し外れると、普通に市井で出会う人たちは、ものめずらしさもあって、ガイジンにはたいてい親切にしてくれるものです。まあ、現地の人も危険だと思うような場所へは行かないということが前提ですが。

さて、中国旅行というと、ドアのないトイレや、ものを買っても無愛想な店員の応対が不評でしたが、いまは改善されたのでしょうか。都市部のデパートでは、ずいぶんと応対が良くなったと聞きますが。四年前だったか、こんなことがありました。
上海のとあるスーパーで、私は小さな電化製品を買ったんです。日本円にして数百円のものでした。ところがホテルに持ち帰ってみると、そこでは電圧の加減で使えないことがわかりました。どうしようかと思いましたが、領収書と一緒に商品を持って、またスーパーに戻り、返品することにしました。私は少し中国語ができます。駄目でもともと、会話の練習のつもりでした。
使えないので返品したいというと、中年の女性店員がカウンターごしに難しい顔をして、駄目だといいます。私は食い下がりました。とにかく、さっき買ったばかりで一回しかスイッチを入れてないんだから、と。すると、彼女は、一度でもスイッチを入れたんだから、もう返品などできない、といいます。どうしても駄目ですか、とねばる私にイライラした彼女は何やら早口でまくしたて、私はその言葉が聞き取れなくなりました。ふと見ると、周りで買い物をしていた数人の客が、何事だろうという顔で寄って来て、私を取り巻いています。私は、内心、穏やかではなくなりました。

私が日本人であることは、その外見や、たどたどしい言葉から明らかです。中国人が日本人に対して反感を抱いているということも、旅行前にはさんざん聞かされています。いわく、南京で、日本人観光客が現地の中国人から石を投げつけられたらしい、など・・・
そんな話を思い出して、にわかに恐くなってしまった私が、どうしたらこの場から立ち去れるか考えていると、私を取り巻いていた客の一人が、店員に何か言いました。早口で、私にはよく聞き取れません。店員は、肩をすくめるように、何か言い返しました。それを皮切りに、私と店員をかわるがわる見ながら、そこにいた数人の客が、口々になんだかんだ言い始めました。私は、自分の周りで何が起こっているのかわからず、おろおろしてしまい、商品を握り締めたまま、ただそこに突っ立って、成り行きを見ているほかありませんでした。
ちょっとした議論が進行し、最後に店員が、しぶしぶといった表情で折れ、私を見て、その商品をこちらへ渡せといいます。私は、お金も返してもらえず、取り上げられるのではないかと思いましたが、彼女は領収書どおりの金額を、カウンターに投げて寄越したのです。なんと、周りの客たちは、私がその商品を返品できるように、店員と掛け合ってくれていたのでした。私は投げ出されたお金を手に取ると、取り巻いていた客たちに礼を言って、そのスーパーを出ました。出口のドア付近で振り向くと、彼らはもう何事もなかったかのように、それぞれに売り場の商品を見て回っています。妙にニコニコしたりはしないけれど、そっけなく思える表情のなかに、わざとらしくないナチュラルな親切さを見たようで、とても嬉しくなってしまいました。

こんな小さな冒険、ささやかなドラマで、その国の印象がガラリとかわってしまうから、不思議なものです。ガイドブックの写真やテレビの映像でしか知らなかった街やそこの人々が、急に身近になり、その人間味あふれるリアリティをじかに感じられることこそが、旅の素晴らしさだなぁと思うんです。



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