ああ、失敗の巻

昨日の夕方、更新したのだれど、わずか三時間半後にはデリートしてしまいました。
目ざとくここをチェックしていた夫から、クレームっていうか注意を受けまして。

書いていた文章は個人に対する個人的感想みたいなもの、それは言ってみれば「(愛ある)冗談」なんだけど、相手個人にも第三者にも、その冗談が意図した通りに伝わるとは限らないってことで。
まあ、WEBって誰でも見られるし、そういう意味でもネタにした相手に嫌がられたら、こっちもそれは本意じゃないし。ちょっと考え足りなかったかと反省しました。
っていうか、自分の親しい友達や親きょうだいなら、「ここまでぐらいは笑って許してくれるだろう」という線引きがだいたいわかるけれど、明確にそれがわからない相手の場合は、公人や芸能人じゃない限り、話のネタにするのはやめるべきなんですよね、やっぱし。

夫は、「こんなのやめろ」とは言わないんですよ。「これはどう思われるかわからんぞ。でも、いろんな可能性を考えたうえで、載せるだけの覚悟があるなら、あとは自己責任で」と言うんです。
私にしても、自分の感覚でもギリギリ誤解される可能性があるかもしれないと思いつつ、「まっ、これくらいならいいか?」と甘くみていたんですよね、そこを突つかれた感じ。だからこそ、言われてすぐにデリートしたんですけど。
うーん。これで二回目かなぁ。夫に指摘されて、自分の書いた文章をまるまる全部デリートしたのは。まあ、どっちもしょうもないことで、ぜひにも残しておきたいと思うようなものじゃなかったのですが。
しかし、人に言われていったん載せた文章をひっこめるのは、そうすべきだと自分でわかっていても、なんとなく「あちゃー」って感じ。特に、それがうちの夫からの指摘を受けた結果となると、わけもなくムスッて感じ。自分の弱みっていうか、マズイ失敗を見られてしまって「あ゛ー!(両手で頭かきむしる)」みたいな。たとえ夫が内心ほくそ笑んでなかったとしても、背後から「(#゚Д゚)ゴルァ!」と、跳び蹴りくらわせたいっていうか。

「おまえ。それって、いわゆる逆恨みってヤツとちゃうんか!
ああそうや!逆恨みや!逆ギレや!それが、何か?

ふん。


少々難アリ

ムシムシして嫌な季節ですね。もうクーラー入れてますか?

もうとっくに半袖なんですけど、今時分になると毎年悩んでる腕の毛。
5〜7oぐらいの細い産毛がふわふわ。剃ってもいいんだけど、お肌痛めそうだし生えかけがチクチクするし、どっちみち毛穴だけ残ってジッと見ると不自然だし、ぜんたいこれをどうしたものか。レーザー脱毛してもいいんだけど、失敗したら怖いし、腕だけつるつるの産毛なし状態になったとしても、今度は首筋とか背中とか、他の「いままで気にもしてなかったところ」が気になってくるんじゃないかと。ささいなことですが、薄着の季節になると、すれ違う女性の腕を観察してしまいます。フサフサさせてる人を見ると、(ウフッ、仲間発見♪)とか心で喜んでしまうんですが、それが明らかに女捨てたオバサンだったりすると、なんか余計にウツ・・・
腕だけじゃなくて脚も当然、気になるんだけど、私はたいていロングスカートかジーンズしか着ないので、ま、とりあえず他人には見えない。
悩みはまだ続きます。肌が白くて皮膚が薄いので、血管があちこち青く透き通って見える。まじまじ眺めると、自分でも、「キモ〜!」。どうにかならない、この人体標本みたいな有り様?ったく、見るからに不健康だぜ、ヘイヘイ!
オコたんはいいよなぁ、冬でも夏でも身体全体が毛だらけで。

しかし、今もっと深刻に悩んでるというか悩まなくちゃいけないのは、体重のこと。
減らすんじゃないですよ、増やすの。
老いも若きも「ダイエットといえば痩せること」と必死になってるなかで、太りたいって人はあまりいないかもしれないけれど、私は少なくとも40sには戻さないと。理想は42sぐらいかな。
実は、ずっと40〜41sはキープしていたんですが、半年まえくらいからときどき体調が悪くなり、四月にはそれが一気に辛くなって、結果、38sまで落ちたんですよね。今、少しずつ様子を見ながら体調を整えているところです。四月から、ずっと文学学校も行ってなくて、いろいろ考えましたが、とりあえず今年は休学にしてもらいました。
できるだけストレスになることは避け、(好きなことでも根を詰めすぎるとストレスになるんですよね)、身体を回復させるのが優先ってことで。
最近になって、ずいぶん落ち着いてきたので、このままゆっくり上昇カーブで行けばなぁと思ってます。
以前は痩せるためにカロリーを気にしたこともあるけれど、今は太るために気にしてます。今日はぜんぶで何カロリー食べたかなぁって。
痩せるためにする努力のほうが、太るためのものよりも、ずっとラクだと思い知りましたね。だって、低カロリーのダイエット補助食品って、すごくたくさんあるじゃない。それなら、油モノとか甘いモノをたくさん食べれば太れるじゃない?って言われそうだけど、それが食べられるんなら苦労しないって。もともと脂っこいものは嫌いだし、甘いものばかり食べてたら栄養素の偏りを起こして、かえって体調悪くなるし。
どうしたものやら。
痩せていてもそれが普通で、じゅうぶん健康なタイプの人はいいんだけど、私はだいたい43〜4sがベスト体重だったから。それぐらいで、一番活力が出る、ということ。
思えば中学・高校・大学と大きな病気もしないで健康そのものだったのに、なんでかなぁ?
そういう年齢?現代社会にうまく適応できてないが故のストレス?
とにかく何でもいいから元気になりたいです。っていっても、現実に私を見たら、「どこらへんが不健康?」と思われるかもしれませんが。でもでも、私的基準では、もっと活力に満ちててもいいはずなんですよぅ。実際、四年前まではそうだったんだし。

自分のことでイッパイイッパイ、余裕ってもんがない今の私。はぁ・・・(ため息)
両親には心配かけるばかりで、親孝行のひとつもできないし、お姑さんにも申し訳ない。親戚の集まる行事なんかも、ときどき失礼してしまっているし。孫の顔なんてのも、期待されてたんだろうになぁ。
こんなひ弱で役立たずな嫁には、安心して息子を任せてられないんじゃないかしら。
息子のほうは、自分が選んだんだから自己責任ってことでいいかもしれないけど、お姑さんはねー。もともとは赤の他人なのに、息子だけの意志で義理家族になっちゃったわけだから。気の毒ですよ。
このまえ、気弱になっていた私が、たまたま用事があって電話で話しているとき、
「すみません、私、何の役にも立ってなくて・・・」と言ったら、お姑さんは明るく笑って、
「何を言うの、○○ちゃん。あの子(うちの夫)だって、守るべき嫁さんがいると思えばこそ、いろんなことを頑張れるんやから。そこにいるだけでいいねんよ、それが一番大事なことやないの」
・・・涙でそうになりましたね。ほんと、息子よりずっと、人間のできたお母さんだわ。

私がお姑さんの立場なら、「うちの息子は、あれでも一応、高学歴の公務員なんだから、もっと若くて元気で賢くてチャッチャと気の回る、いい嫁がもらえたはず。んもぅ、あの子に女を見る目がなかったばっかりに!あーあ。何のために苦労して今まで育てて来たのやら!」とか思いそう・・・
ほんと、もし私がもっと美人で健康で頭も回ったら、すっごく高飛車で嫌な女になってたと思いますねぇ(今でさえコレなのに)。自分でもそう思います。おまえ、何様のつもり?みたいな女。自分の欲求のために誰かが犠牲になっても、「仕方ないじゃない。それが世の中ってもんでしょ」って涼しい顔してるような。己が勝ち組に入るためには、誰のことも、どんな事情も顧みないような。
まあ、いまのような「少々難アリ」人生だから、私もそこまで高慢ちきな女にならなくてすんでるのかな?
そう考えたら、この落ち込み状態も神の試練か、はたまた罰ゲームか?
でもさぁ、もういいよぅ〜。もう、こんなの、飽きた〜。
そろそろ、違う取引したいです。


カラオケ♪

先日、30分だけ近所のカラオケに行きました。夫と二人で。
でも、マイク放さず一方的に歌ってたのは私ひとりだけで、夫はひたすらリモコンのボタン押し係。
だって、久しぶりにカラオケしたいって言い出したのは私だし、前にカラオケ行ったとき懲りてるんですよね、夫に歌わせるとどうなるか。もー、笑いもできない下手さなんだもん。
っていうか、「この下手っぴ!練習もせず、うろ覚えの曲を歌うくらいやったら、そのマイクこっちに寄越さんかい!」って感じ。そんで、人が気持ちよく歌ってるのに一緒に歌おうとするのも、んもぅ、やめてくれぇ、って感じ。こっちはな、あんたと違って真剣に歌ってんの。かつてカラオケ・クィーンの名を欲しいままにした、この私のボーカリスト魂が久々に炸裂してるわけよ。邪魔すんな!
ということで、以前、喧嘩になったので、今回は「歌い係」「リモコン操作係」の分業体制に。

曲目は、
1キラキラ(小田和正)
2Hero(ミスチル・一音あげ)
3伝えたいことがあるんだ(小田和正)
4Bomber(山下達郎)
5家路(岩崎宏美・半音さげ)
6ラブストーリーは突然に(小田和正)

これでちょうど30分。体力低下してるいま、続けて歌うとさすがに疲れました。マイクが重くて肩が凝りそう。
「家路」以外は、カラオケで歌ったことなかったので練習です。もちろん、家で何回も練習して歌った、その仕上げとしての練習。私の意識では、本番というのは、身内以外の人がいる場で歌うこと。

「キラキラ」は、あのズンドコズンドコというもっさりしたリズムが気になりますが、まあ、一般的な盛り上げ曲としてはいいかも?「Hero」は、原曲そのままだと低音がでないし、一音あげると高音がけっこう苦しいですが、まあ、これは練習次第。「伝えたいこと・・・」は、サビは格好いいけど、そこにたどりつくまでに笑ってしまう。「Bomber」が達郎リストにあったのは感激ですね。でも、けっこう気合い入れないと格好良く歌えない難しい曲。達郎の曲なら、「メリーゴーランド」が好きだけど、リストにはなかったです。まあ、あれ、間奏が長いので、カラオケじゃ間がもたないですが。「家路」は昔からラストを締める一曲として歌ってました。久しぶりなので声が出るかどうか確認。「ラブ突」は全然ダメ。カラオケのアレンジがクサイし、勝手にキー変えるな(#゚Д゚)ゴルァ!調節がめんどくさいっちゅーねん。

カラオケってお酒と同じで、嗜好品だと思うんですよ。だから、嫌いな人には勧めちゃいけない。無理強いしても楽しくないし。私は、そういう機会があれば、もー心から楽しんでしまいますが。
「わぁ、この人、こんな曲歌うのねぇ」「へぇ、この人案外いい声してる」と意外な発見をしたりするし。
でも、やっぱりカラオケの醍醐味は、自分の歌に人をのせてしまうこと。要するに、みんなからの拍手喝采(プッ)ね♪
エンターテイナーを気取るなら、やっぱお愛想じゃなくて拍手をもらえないと。それには陰での努力が必要。自分に酔っちゃってる下手クソって最低だもの。音を外さないのは当然として、曲によって、完全コピーする(原曲の雰囲気を忠実に再現)か、それともカヴァーとして(自分の持ち歌のようにアレンジ)歌うか、エコーはどれぐらい効かせるか、マイクとバックの音量バランス、いろいろ考えなくちゃ。
でも、テクニックもさることながら、場の雰囲気を読んで選曲するのが、やはり最も大切なことですよね。
誰をメインに楽しませたら場が盛り上がるか?私はメンバーの年代とか関係の遠近で考えます。

ターゲットが、
・50代後半〜60代の方
 →「いい日旅立ち」(山口百恵)など、おとなしめの「歌い上げ系」は受けが良く重宝。
・40代後半〜50代前半
 →「なごり雪」(イルカ)など「懐かしのフォークソング系」、でいくか、「聖母たちのララバイ」(岩崎宏美)、「駅」(竹内まりや)などの「火曜サスペンス劇場系」でいくか、「木綿のハンカチーフ」(太田裕美)など「懐かしのアイドル系」でいくか、その人その場の雰囲気次第。
・30代後半〜40代前半
 →中森明菜全般がお役立ち(聖子全般も◎、でも私のレパートリーは明菜なので)。かつてバンドやってました・ロック小僧でした・ニューウェーヴ聴いてましたという人なら、マドンナなどの80’s洋楽も可。「やさしく歌って」(ロバータ・フラック)など、ちょっと渋めに聴かせてみるのも評判良し。
・20代後半〜30代前半
 →無難にJ−POPで。ウタダ、あゆ、などのメジャーすぎてバッティングしそうな曲は避ける。状況に応じて、大人ならではの渋い選択も可。とりあえずCoccoの「強く儚い者たち」、小田さんの「キラキラ」あたり。
・20代前半以下の人とカラオケに行くというシチュエーションは、ちょっと考えられませんね。

うちの夫は歌わせると声質が槇原敬之に似てるんです。
だから、槇原の「ちょっと情けないフラレ男系」の曲を練習すればいいのにって思うんですよ。でも、本人は、「あんなオカマのマッキーの歌なんて嫌!」だそうです。なんでよ、あんたにぴったりやないの。
ちゃんと練習するんだったら、私がバックで完璧なハモリをやって盛り上げてあげるのに。
あのさぁ、下手っぴの出番なんかないねん、このままじゃあんた、永遠にリモコン操作係やで。
そう言ってたら、涙目になって、
「おまえってひどいな。じゃあ、マイク持たへんから一緒に歌ってもいい?」と。
「うん。マイクなしやったら邪魔にならんからいいよ」
「ほんま?そんならこれからそうしような♪」
って、をいをい。そんな他力本願せんと、自分の持ち歌きめて練習せんかいッ!
たかがカラオケ、されどカラオケ。エンターテイナーの道は険しいんやで。


ピュア

このところ、子供の頃の自分をよく思い出します。
そういうときは決まって、私が思考と感情の袋小路に入って抜けられずにいるとき。

まだ外界や他人を知らずに、保護された繭のなかで、夢を見るように生きていたあの頃。
悲しいことや辛いことがなかったわけじゃないけれど、それでも圧倒的に、未来への期待感と広い場所への憧れが勝っていたあの頃。
今の自分とはまったく違うように見えるけれど、でも、確かに自分の芯みたいなものが鼓動し始めていたあの頃。
思い出すだけで元気になれる、そんな気がする。
何がほんとに一番だいじなことか、見えてくるような気がするから。
笑って、笑って、笑いながら、羽根のついたサンダルで風のなかを駆けていく、息切れもせずに。
あの幼い私に、た・す・け・て、と呼びかけてみる。
ざわめく緑の梢が、過去からの言葉を伝えてくれるのを期待しながら。

決して誉められた子供じゃなかった。
思いやりのない冷たい子だった。自分のことしか考えないで。
小学校低学年のある日、近所の女の子が家に「遊ぼう」とやってきたとき、私はドアを開けたけれど、
「いま、本を読んでるから」
と、すげなく追い返してしまいました。
そしたら、すぐに別の女の子が遊びにやってきて、チャイムを鳴らすので、またドアを開けたら、
「ねえ、××さんが、すぐそこで泣いてたよ、どうかしたの?」
私がそのとき、どう思ったかというと、
「なんでそんなところで泣いてんのよ?」
これみよがしに人目につく外で泣いたりして、わざとらしくない?って気持ちでしたね。

その子と遊んでも、あまり面白くないと思ってたんです。
八方美人で誰にでもいい顔をして、愛想笑いを振りまいて、大人からは受けがよかったけど、なんとなく頭が悪いから、お喋りをしたり二人で遊んでもつまらないと。
読みかけの本のほうが私にはずっと魅力的に思えてドアを閉めちゃったんですけど、それが彼女を傷つけることになるとは、ちっとも想像できませんでした。なんで泣いたりするんだろう、誰とでも仲良くできるんだから、誰のところへでも行って遊べばいいのにって。
見せつけるみたいに外で泣き顔を晒したりしないで。
一人でいるのも好きな私には、ちょっと考えられない行動だったんですね。
「ごめんね」と謝りに行ったのかどうか、覚えていません。
もしかしたら、「へええ、なんでかなぁ?」と言って、放っておいたのかも。
ほんとに悪いことしたとは思わなかったから。謝る気なんか、ちっともなかった。
私の心のなかに、他者は存在しなかったし、他者を求める気持ちもなかったんです。まだ。
だから、「たまたま誰かに遊んでもらえなかったからって、泣くほどのことか?」みたいな感じで。

誰も求めていないから、寂しさがわからない。
(冷たいと言われても、その冷たさのなかに光る自由が欲しい)
思いやりがないから、他者の痛みがわからない。
(残酷だと言われても、その残酷さと背中合わせの強さが欲しい)
生きることにあがいていないから、世の中の怖さがわからない。
(たとえ無知だと言われても、知らないから突っ走れる、自分の思ったように・・・)
純粋であることは、どんな色ももたないこと。透明なこと。馬鹿なこと。計算ができないこと。
何がしたいかということより何が得かとわかるようになった自分が、何を言いたいかということより何を言うべきかとわかるようになった自分が、ときどき誇らしく、ときどきは哀しい。
中途半端な賢明さと引き替えに失われていく無鉄砲な勢いが、ときどき恋しい。
あの頃のように再び、輝く繭に閉じこもり、空想を紡ぐだけで満たされていたい。
でも、もう繭はなくて。どこにも。
でも、もう満たされはしなくて。空想だけでは。
だから新しいサンダルを探さなくちゃ。羽根はついていなくてもいいから、丈夫なものを。


これでいいのかな

先日、民放のとある報道番組を夫と見ていたんです。
そうしたら、「女子大生がタイのエイズ患者ホスピスでボランティアするのに同行、その二週間を密着取材しました」という特集があって。
内容は、都内の女子大生(19)がタイにあるエイズ患者ばかりを収容したホスピスへ行き、ボランティア・スタッフとして、二週間だけ簡単な患者のケアなどを手伝うというもの。

初めに紹介された感じでは、女子大生はごく普通の女の子で、とくにしっかりした意志をもってボランティア活動に取り組もうとかいう素振りは見えず、とりたててエイズとそのケアについての関心・知識がある様子でもない。いわく、「若いうちに、何でもやってみたい」
こんなふうだから、実際に行ってはじめて末期エイズ患者の悲惨な状態を目の当たりにすると、とたんに動揺してしまう。
苦しみながら死んでいく重症患者たちを恐れ、ついつい彼らを避けて軽症患者を相手にお喋りなどして気を紛らわせる日々。そうこうしてるうちに、そのホスピスで、もう二年ボランティアをしている同じ日本人女性の先輩に諭される。「あなた、何しにきたの?」
その一言で彼女は自分を反省し、また末期患者のフロアに出向く。今度は悲惨な現実から逃げないで、自分にできることを一生懸命やるんだと心に誓って。そして芽生えた患者との友情・・・

こうして、いろいろ貴重な体験をした彼女は少し成長して、あふれる涙をぬぐいながら帰国の途につきましたとさ。
ってな作りなんですが。よくあるパターンっちゃ、よくあるパターンでしょ。

以下、これを見た私と夫の会話。

夫「もー、ほんまに許せんな、こういうマスコミのやらせは!」
私「やらせって?」
「こんなん、全部、あらかじめストーリーつくってあって、どこぞの女の子にアルバイト料でも払ってやらせてんのに決まってるやないか」
「えっ。それマジ?」
「( ´,_ゝ`) プッ  おまえなぁ、そんな都合良く『二週間だけボランティアに行く女子大生』なんかが見つかると思うか?テレビ局側で企画してから、適当な後輩とか売れへん女優とかをみつくろって、これこれこうやからと話をもちかけて撮ったほうが早いがな」
「まぁ、なるほど、私もボランティアすることにした理由っていうか、いきさつとか何も説明がないから、あんな子をどこから捜しだしてくるんかな、とは思ってたけど・・・えーっ、お金払ってやらせてんの?」
「そう考えるほうが自然やろ。お金あげるし、費用はこっちでもつから、タイでボランティアしてみぃへんかって訊いて回ったら、あんな女の子の一人や二人、すぐに見つかるやろ。そのなかで、ああいう、あまりなんも考えてなさそうな、ごくフツーの子を選んでるんやな」
「はあ・・・ああいうフツーの子がいいと。もともとたいした知識も気概もないから、すぐおびえたり泣いたりしそうやし」
「そう。ストーリーに沿った、いい絵が撮れる」
「あんな施設でボランティアするんやったら、もっと医療知識のある医者のタマゴとか、看護婦のタマゴとか、そういう子でもよかったはずやけど、そんな子やったら、もっと淡々と、やることをきっちりやり遂げる、という感じになるのかもな」
「うん、それやったら面白くないやろ、絵として。やっぱ、フツーのおねーちゃんっていうか、わけわかってないヤツが走り回ったり泣いたりしてくれんと。淡々としっかりやられたら、あまりドラマにならんやろ」
「でもさ、まあ、あれがあんたの言うようにやらせというか仕込みというか、それやったとしても、本人は合意のうえで行ってるんやし、ああいう体験をして、やっぱり若いから何か心に思うことがあったやろし、ホスピス側にしても慢性的に人手やお金が足りんかったら、番組がいい宣伝になるっていうか、ああいう現実があることに対して、何か自分にもできることがないか、奇特な人がボランティアやら寄付やら考える機会になったとしたら、それはそれで、やらせの企画でもいいんと違う?」
「まあ、そういう考え方もアリやけどな。でも、必ずしもそうならんかったらどうする?あの女子大生がこの件で成長するどころか、ああいう悲惨な死に方を間近で見たせいで悪夢にうなされたりして、将来ウツ状態にでもなってみろ、番組が視聴率稼ぐための一種の生け贄やぞ。エイズっちゅう素材に、大人の男やら、もっとちゃんとしっかりした人間を組み合わせてしもたら面白い絵にならんから、若い女の子でもハメこんで泣かせとこかっちゅうような、安直で陳腐きわまりない作りがイヤらしいな」
「うーん。私だってあの骨と皮ばかりの患者の状態みせつけられたら、何か思わざるをえんし、みんなにとって、必ずしも悪いことばかりのやらせじゃないと思うけどなぁ」
「おまえ、甘いな。局側にしてみたら、そうやって逃げ道つくっとんのやないか。今、お前が言ったことが、何かあったときの言い訳になるんや、全部。こういう現実について啓発するためにつくったと。あの自称女子大生の親にも承諾書ぐらいとってるやろ。そやけど、本気でエイズ問題のこと考えてんのやったら、自分らスタッフが、なんで一年でも二年でも行ってけぇへんねん。たかが二週間、女の子使ってお涙頂戴の番組つくって。おまえ、テレビ局っちゅうのは、あんなネタをいっぱいストックしてるんや。あれやったら、何も今日、放送せんかてええがな。緊急の大事件があれば消し飛ぶ企画やないか」
「まあ、そうやな。半年前でも、半年後でも、ニュース日照りのときに流せばいいって感じやな」
「そやろ?タイなんか予算も安くてすみそうやし、ええ企画やがな。カメラさんなんかは、現地で調達してもええしな」
「うん。でもさ、よく考えたら、たった二週間なんて、アッという間やし、ボランティアったって足手まといなだけで、意味ないかもなぁ」
「あの二年やってる先輩ボランティアっていうのもクサイな。たまたまおったにしては、都合良すぎる。わざわざそいつがおるから、あそこを選んでるか」
「もしかしたら、諭す場面にも指導があったかもよ」
「そうそう、ちょっと喝入れてもらえません?とかなんとか」
「いやぁ、テレビ局って、なんともいえんなぁ。結果的に、視聴率稼ぐためなら末期エイズの患者すらダシにして。演技だってさせかねんで、おまえの家族に金やるからって」
「もう、既にやってるやろ、そんなん」

夫の旧友が、昔、マスコミ関係にいたそうです。
彼の感覚でいわく、「再現フィルムは可」。
あったことを再現して撮って、あたかもそのときのことのように見せかけるのは、やらせではないと。
どうりで、犯罪捜査なんかの番組で、都合良く犯人がつかまる場面が撮れるはずですよね。被害者も犯人も、顔ぼかしてるし声も変えてあるから、再現するのにもってこい。
電車の痴漢とか、盗撮とか、人混みをぶらぶらしてるだけで、そう上手くでくわして、犯人逮捕のいい絵が撮れるのかなと不思議に思ってました。再現フィルムだとすると、納得です。

しかし。どう思います?
もし、報道番組が企画もののやらせだったとしたら。
その値打ちっていうか、是非について、ちょっと考えさせられました。
これでいいのかな?


一勝一敗

最近、ヤフー・オークションにハマってます。
いやー、いろんなものが出品されていて、なかなか面白いですよ。もう廃盤になってしまった昔のCDなど探すのが面倒なものや、普通の人にはゴミだけどコレクターにとっては思わず鼻息が荒くなるようなアイテム、果ては「なんでこんなものを出品するの?誰が買おうと思うの?」と不思議になってくるものなど。
洋服なんかはサイズも微妙だし、写真だけ見て試着できないまま買うなんてイヤですが、手頃な値段のアクセサリーぐらいだと、欲しいなって気持ちになりますね。

で、いろいろ見ていてティファニーのペンダントを落札したんです。二本。そう、女の子へのクリスマス・プレゼントなどに最適なシルバーのシリーズね。金やプラチナ、宝石を使ったティファニーのアクセサリーは、とてもじゃないけど高価すぎてちょっと手が出ませんが、シルバーのものなら何とか買える値段(正価で1.5万〜3万円ほど)。
まあ、ただのシルバーのくせして、すごく割高なのは間違いないんですけど、それなりにブランド力でもって高級感を維持しているのと、やっぱりシルバーだから普段使いにできるカジュアルさを併せ持っているので、微妙な女心を刺激して人気商品になってると思うんです。
実際、何十万以上もする宝飾品なんて、持っていてもつける機会がないんですよ。他人の結婚式や何か公式なパーティ、そういう「ここぞというとき」だけが出番。一年にそんなハレの日って何日あります?
海外旅行に持っていくのも盗難に会いそうで怖いし。イヤリングなんかは、スルッと耳から滑り落ちて紛失しやすいものですから、それも心配。
盗られても無くしても諦めがつくのは、私の場合、数万円までですね。それぐらいがお出かけ用の「アクセサリー」で、二桁の金額になると、ちょっと気の張る「宝飾品」扱い。
普段使いにできて、ちょっとしたお出かけにも恥ずかしくないティファニーのシルバーアクセサリー、まあ一つ二つあったら重宝ですよね。で、欲しいなぁ、と。

話はヤフオクに戻るんですが、安いんですよ、信じられないくらい。ティファニーのシルバー製品が。ええっ?と思っちゃうような値段。正価の半額なんか当たり前って感じ。そういうの出品してるのってみんな、普通の個人というよりはある種の業者で、説明文には『並行輸入の新品・本物で、コピー商品ではありません』と書いてあるんですが、ここまで安いと「ホンマかいな」と思いますよね。いくら国によって卸し価格が違うと言っても、ブランド品でしょ?やっぱ、限度がありますからね。普通ありえないでしょ、三分の一、四分の一なんて値段は。
夫と言ってたんですよ、「こんなの盗品か、B級品を横流ししてるんちゃうか?」って。いろんな国にある工場では、ちょっとした傷や凸凹などがあって正価販売できないものが一定の率でできますよね。そこに勤めてる誰かが小遣い稼ぎとばかりポケットにねじこんで帰り、それらが「並行輸入の本物」として流通してたって、ちっともおかしくないですよ。
あと、本当はコピー商品か。最近のコピー技術はすごいみたいですね。有名ブランドのバッグや財布、アクセサリーなど、一般ショップの店員や質屋にも偽物か本物かわからないくらい、精巧なコピー商品が出回っているそうです。それを見破るのに、この部分を見ろ、あの部分を比べろ、というマニュアルみたいなのもあるんですが、正直、友人の誰かが、良くできたルイ・ヴィトンのコピー・バッグを持っていたとしても、それをひっくり返して内側の縫い目を調べたり、細かいファスナーやボタンの刻印をじろじろ見たりできますか?知った人でも、そんな失礼なことできないし、知らない人が街で持っていたって、それこそ関係ないですよね。

ティファニーの場合、何百万もするような宝飾品はさすがにコピーできないけれど、シルバーシリーズなら加工も簡単、素材も安いということでコピーしやすいらしいんですよ。もともと原価なんて、ほんとに安いもんですから。もちろん、ティファニーの商品も「ここが見分けるポイント」というのはあるようですが、そんな細かい部分、質に入れるんでない限り、誰も見ないじゃない?って感じなんですね。
私自身は、精巧にできたコピー商品なら、「並行輸入の新品・本物」という売り文句に、あえて騙されて安い値段で買うのもOKだと思っています。
そもそも「本物」の正価がボッタクリすぎなんじゃないのって気がするし、自分が見ても他人が見ても真贋がわからないなら、たかだかシルバーアクセに、それ以上の何を求めるの?って思うんですよね。何十万、何百万もするダイヤやルビーじゃないんですよ。工場で型抜きして作られて、世界中に出回っているカジュアルなシルバー製品です。資産価値ゼロ。普段のお洒落用ですよ。デザインだって、年毎に変わって流行り廃りがあるものだし、安く買えるにこしたことないじゃないですか。
こんなふうに考えて買う人がいるから、違法なコピーや工場からの横流しが絶えないのでしょうけど、まあ、それくらい可愛いもんだと思うんですね。それ以上にティファニー本社は、もっとずっとボロ儲けしているでしょうし。コピー商品が出回るのは一流品の証明とも言いますし。

さて、また話はヤフオクに戻るんですが、二本のテイファニーペンダントを別の出品者からそれぞれ買ったんですよ。どちらも「新品・本物・並行輸入品」です。でも、この二本が、すごく対照的なモノだったので、ここで報告しておきたくなったんです。
まず早く着いたほうの一本は、まぎれもなく一目でパチモンとわかる品。
いやぁ〜、ぶちキレましたよ、私。馬鹿にすんなって。
うん、偽物を「あえて騙されて買うのもOK」なんですけどね、これは偽物とかコピー商品とか言えるものじゃなく、パチモンなんですよ、パチモン。わかります、パチモンって?これ、関西方言なのかな?いわゆるバッタもんですよ。よく発展途上国で見かけたりする粗悪な「なんちゃってコピー品」と言えばいいのか。「アディダス」が「アディオス」、「シャネル」が「チャネル」、みたいな感じです。
こんなもん、夜店や露店以外で売りつけんなよ、ボケッ」って話ですよ。
私がOKと言ってるのは、素人には真贋が見分けられないくらい精巧にできたコピー商品であって、こんな身につけて歩くのも恥ずかしいパチモンじゃないわけです。
どうせ偽物つくるんやったら、素人衆にぐらいはちっとやそっとじゃバレへんようなもん、つくってみんかいッ!こんなパチモンで稼ごうなんて、どんな甘っちょろい根性してるんや、ゴルァ!!」って話なんですよ。
しかし、もー、そのパチ度が笑えます。写真に撮っておきましたので、こちらを見てください。
ペンダント・トップの向きがさかさまなんですよ。細かい刻印がどうの、という高尚な代物じゃないんです。呆れましたね。

こんなもんに一円でも払うのはイヤ!
夫にも言って、速攻で電話とメールで交渉して、結果的には送料と代金、全額返してもらいましたよ。
夫が「これ、オークションのページに載せてた写真と違うでしょ、偽物?」とクレームつけたら、「いや、本物の並行輸入品ですよ。作っている工場が国によって違うと、細かいデザインも違うものなんです」と答えたそうな。おたくな、アホも休み休み言えや。細かい違いとちゃうやろ、本格的な、もう取り返しのつかんような違いやないか、こんなもん。決定的なのは、載せてる写真と、まったくデザインの違うものを、なんで送りつけてくるねん、ということですよ。こんなん詐欺やないの。
夫が電話で交渉してる間、私は、もしも電話番号や住所が嘘だったとかで逃げられてしまったら腹が立つので、念のためサイバーポリスに電話してみました。これは各都道府県の警察内にそういう部署があると思います。ネット関係のトラブルの相談に答えてくれるところです。そうしたら、こちらが「ええと、ヤフーのオークションでですね・・」と言っただけで、「はい、オークションのIDを教えてください」と。もう、パソコンの画面開いて待ってたような状態で、すごい迅速に対応してもらえましたよ。たぶん、ほんとにオークション関係のトラブルって多いんだと思いますね。まあ、悪質な被害に遭われたら(そんなことはない方がいいに決まってますが)、相談してみてもいいんじゃないでしょうか。個々のケースで、解決が難しいのもたくさんあるでしょうけれど。

今回、私は、そんなあくどい相手でなくて、比較的穏便にお金も戻ってきましたし、法的にどうこうするまで行きませんでしたが、気分は悪かったですよ。やっぱりヤフオクなんて、こんなもんかぁ、と幻滅しましたね。
でも、この件の後で届いた別のティファニーのペンダントは、いろいろ調べても私にはこれ以上わからないくらい、「本物」でした。値段からして同じようなものなんだから、これが正規のルートで輸入された「本物」とは思いがたいのですが、細かい刻印その他、みんな限りなく本物に見えます、っていうか、ほんとにある意味では「本物」なのかもしれません。ほら、ちょっとしたB品の横流し、みたいな。だとしたら、少なくともコピー商品ではない。
まあ、そういうことはどうでもいいのです、たとえB品であったとしても、値段と品質に納得できるものでしたから。そうそう、これこれ、私が手に入れたかったのは、こういうものだ、と思いました。
ということで、私の落札は、今のところ一勝一敗。
もう、つまらないトラブルにはウンザリなので、こういうのは、やはりほどほどにしなくちゃいけないと思ったことです。しかし、なんといっても、一番儲けてるのは出品者・入札者から手数料とりまくって、こういう半無法地帯を提供している胴元のヤフーじゃないかしら?



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